イナズマイレブン～FF編～第1巻 (ページ16)

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（１４）助っ人ページ16

さっき眼鏡のヤツが脱ぎ捨てていった青と黄色のユニフォームがどうも目が離せなくて、オレは思わず拾い上げて袖に腕を通していた。

豪炎寺「夕香……。今回だけ、お兄ちゃんを許してくれないか」

「誰だアイツ？」

「あんなヤツうちのチームにいたか？」

視線が集中する中、帝国のキャプテンは、やっと現れたか、とでも言うようにニヤリと口角を上げた。

グラウンドに足を踏み入れて、あいつの元へと歩み寄っていると、先生がオレを引き止めに来る。

冬海「ま、待ちなさい！君はうちのサッカー部では……」

冬海が注意を呼びかけるが、それを鬼道が手で制する。

鬼道「良いですよ、俺達は」

審判「そ……それでは、帝国学園が承認したため、選手交代を認める！！」

足元で倒れている白銀の髪の少年はボロボロになった体を起こして立ち上がった。

聖悟「修也、く……」

苦しそうな掠れた声を出したかと思うと、目の前で膝がカクンと折れて倒れそうになった。

とっさに彼の体を支えた途端、俺の手には男とは思えない柔らかさが伝わった。

豪炎寺「……大丈夫か」

聖悟「アンタ、トロすぎ」

豪炎寺「……肩、貸すぞ」

聖悟「おー」

さっきの感触は、一体何だったんだ……？

少し疑問を抱きつつ、彼をゆっくりと立たせた。

角馬「さあ雷門は目金に変わって、新たな10番、豪炎寺が登場です！」

鬼道「我らの目的はここからだ」

辺見「なるほど。ヤツが狙いか」

雷門からのキックオフだが、辺見によって宍戸からスライディングでボールを奪われた。

鬼道「行け、デスゾーン……」

寺門、佐久間、洞面の3人が空中へ飛び、錐揉み状態に同じ早さ、同じ回転をする。

「「デスゾーン！」」

豪炎寺「よし！」

俺は円堂をフォローせずに、1人帝国ゾーンに上がって行く。

円堂「あいつ、オレを信じて走ってるんだ。オレが止めるって、これを止めてオレから、必ずパスが来るって信じて！」

円堂の全身に金色のオーラが立ち込めた。

それはまるで燃えている闘志のようにアツく、彼の右手に伝わって大きな手と化した。

さっきまで取れなかったデスゾーンも止められる。

豪炎寺「……！」

円堂「行けぇっ！天空！」

聖悟「……なんだ、ちょっとはできるヤツか。……？」

何で今、あいつは周りを見渡した…？