イナズマイレブン～FF編～第1巻 (ページ21)

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（１９）盗み聴きページ21

……その頃、校長室では尾刈斗中から来た申込書を読んでいた。

火来「この挑戦状の件はサッカー部に…？」

夏未「伝える必要がありまして？」

火来「それは……そうだが……」

側で話を聞いていた冬海先生が、その申込書を覗き込んだ。

冬海「こ、これは…！“我が校との勝負を受けないと、『呪い』を受ける”……。ほ、本当なのでしょうか？」

夏未「尾刈斗中は、様々な噂が絶えない学校です。面白い相手じゃありませんか？」

……視点は変わって、雷門中学校裏の茂みでは。

？1「ふ～ん、そういうこと、ね」

？2「カヤさん。何盗み聴きしてるんですか」

小鳥と戯れている長身の少年が、虫型盗聴器を手の平に戻す赤毛の少年に呆れ顔を見せた。

カヤ「リク、どうやらあの夏未とか言うお嬢様は雷門のサッカー部を試してるみたいだぜ」

リク「あー、そうですか。オレ別にサッカー部じゃないんで関係ないですけどね」

小鳥にパンくずを放るリクと呼ばれた少年は、興味無さげに棒読みで言葉を返す。

カヤ「いやいや、リク。雷門サッカー部には“ソラ”もいるってことを忘れたのか？」

リク「へっ？リーダー、サッカー部にいるんですか？オレ初耳なんですけど！」

カヤ「ま、オレが言ってねぇだけだからな」

リク「酷いっすよカヤさん！互いに秘密無しってのはオレたちの掟じゃないっすか！」

カヤ「お前はいつの時代のヤクザだ。ってかオレ達はヤクザじゃなくて普通の健全な中学生だろーが」

リク「いや、オレ一応ヤクザの2代目ですけど」

カヤ「あ、そうだった」

？３「……お前ら……そこで何をしている？」

小声でこそこそしていた２人の中に言葉を挟んだのは、金髪ながらに制服を整えた男子だった。

カヤ「わああああっ！？ち、チトセ？！おま、何でココが……！？」

チトセ「授業中に抜け出す姿見つけりゃ誰だかくらい見当つく」

フェンス越しに会話するチトセとカヤ。そこにリクがふと何かに気付いた。

リク「あ、サッカーボール……。こっちに転がって来ました」

円堂「あれ～？ボールどこ行った？」

カヤ「マズい、退散するぞ！」

リク「えっ、あ、はい！」

木で隠れて死覚になるフェンスをよじ登り、道路に飛び降りるとそのまま何処かへ走り出した。

円堂「おっ、あったあった……」

ボールを拾うとほぼ同時に、木がガサッと葉を鳴らした。
円堂が顔を上げると、3人組の他校の生徒が慌てて走ってゆく後ろ姿を見かけたのだった。

円堂「何だ？あいつら」