episode3 ページ5
一二三side
『あ、私ここからはもう家近いんでもう大丈夫です』
お店から出てきた彼女を連れ、公園にさしかかるとそう彼女は言った。
「いや、でもせっかくだから家まで送るよ?」
『いえ、一二三さんにそこまでさせるのは申し訳ないので...』
「僕のことなんか気にしてくれるのかい?やっぱりAちゃんは優しいね」
いえいえ、そんなことないですよ、と微笑む彼女は絶対にプライベートに関わることを許してはくれない。
名前だってそう。
この世界に入り、Aちゃんと出会ってから何年も経つのにやっと知れたのは名前だけ。
彼女がどうしてこの世界にはいったのかすらも分からないまま。
『...一二三さん?どうかしましたか??』
僕が考え事をしているのを気付いたのだろうか、Aちゃんは首を傾げる。
不覚にも心臓が高鳴ってしまったのはきっと僕の勘違いだ、と思いたい。
「ん?...ああ、なんでもないよ。」
この娘はよく人を見ている。
職業が職業だからと言ってしまえばそれまでなのだけれど、数々の女性と話をしている中で彼女はずば抜けて人の変化に敏感だ。
君は一体何を抱えて生きているんだ??
『では、おやすみなさい』
「ああ、おやすみ」
そんなことも聞くことも出来ずに僕は彼女に背を向け歩きだした。
1001人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
【ヒプノシスマイク】シンジュクのNo.1キャバ嬢は今日も笑顔で働きます。【番外編】
【ヒプマイ】山田家の不登校少女は小悪魔すぎる2【逆ハー】
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琥珀(プロフ) - おにぎりさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると、本当に嬉しい限りです! (2022年9月22日 10時) (レス) id: df97482346 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり - もうめちゃめちゃ良かった!です! (2022年9月21日 18時) (レス) @page4 id: 7770a83983 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 九鬼さん» えええそんなことを言ってくださるなんて....!ありがとうございます!! (2018年12月30日 6時) (レス) id: 2e37dd9470 (このIDを非表示/違反報告)
九鬼(プロフ) - 一言言わせてください!すき! (2018年12月30日 0時) (レス) id: 779dfe7ec9 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - スルメさん» 本当ですか!有難うございます...!これから起こる衝撃の展開を是非楽しみに待っていてください! (2018年12月29日 8時) (レス) id: 2e37dd9470 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:琥珀 | 作成日時:2018年12月24日 22時