【ヒプマイ】山田家の不登校少女は小悪魔すぎる４【逆ハー】

海水浴その１８ ページ48

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『今すぐ訂正して』




本当は今すぐこの場から立ち去った方がいいんだけど、大事な弟が馬鹿にされたことがどうしても許せない。



やり返したかっただろうに抑え込んだ二郎の気持ちも知らないで。




私は眉間をぎゅっと寄せながら目の前の男を睨みつける。








「....女だからって調子に乗ってんじゃねぇぞ」




『乗ってない。二郎が貴方たちよりも強いのは事実だから』




「ってめぇ、舐めた口聞きやがって！」









大きく振りかざされた手が見えたので、私はぎゅっと目を閉じる。



....私から手を出しちゃったから一発くらい叩かれても仕方ないよね。






そんな思いを抱きながら覚悟を決めたものの、私が叩かれることはなかった。







ゆっくりと目を開けると、二郎が私に手を上げようとした男の腕を掴んでいて。



かなりの力を込めているのか、その男の人は痛そうに顔を歪めていた。






二郎「女に手上げるなんてよっぽど弱いな、お前」


「なっ...！」






そう吐き捨てた二郎は手を離し、その代わりに私の手を取って「逃げるぞ」と言えば走りだす。









その後ろ姿はどこかたくましくて。








―――もう私が守る必要もないのかもしれない。








そんな思いを抱きながら私は必死に二郎のペースに合わせ、成長したその背中をただ見つめていた。





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