第１４４話 ページ47
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晴翔「うちの団員ってことは、あんたが代表？」
いづみ「監督兼主宰だよ」
いまいち彼の質問の意図が読めないけど、質問にきちんと答えるいづみちゃん。
周りがヒソヒソし始めた感じからして、この二人は有名な劇団の人らしい。
こんなに性格悪そうなのに人気なんだ。
呑気にそんなことを思っていた私の表情を変えたのは、勿論彼の言葉で。
晴翔「じゃああんたも何かやってみてよ、こんなレベルの奴らに教えてる監督が、どんなレベルか見てみたい」
『は？』
綴「なんだこいつ...」
真澄「ケンカなら買う」
ぐっと表情を歪めた私たちを見て、制するようにいづみちゃんはゆっくりと首を振る。
だから私たちはそれ以上何も言うことができない。
そしてそのままいづみちゃんは目の前の彼に目線を合わせて、演技をし始めた。
いづみ「『いっしょに旅にでよう、ジュリアス...こんな窮屈な町は飛び出して、世界中をめぐるんだ』」
そう言ったいづみちゃんにポカンとした顔を浮かべる彼。
お世辞にも上手とは言えないいづみちゃんの演技に、彼はぷっと吹き出して。
晴翔「そんなレベルで指導してて、こいつらに失礼とか思わないの？」
そんな言葉をいづみちゃんに投げつけた。
真澄「―――殺す」
いづみ「真澄くん、だめだって！」
綴「むかつくけど、やめとけ」
そんな３人の横を、すっと通り過ぎる私。
大事にしない方がいいんだけど、何だか腹が立ってしまって。
綴「A...？」
『こんにちは』
晴翔「な、なんだよ」
綴の呼びかけに答えることなく私は目の前の彼に微笑みかける。
そっちが先に喧嘩を売ってきたのに、目の前の彼に浮かんでいるのは困惑と若干の恐怖。
『実は、私ファンで...』
晴翔「っなんだ、まあ握手ぐらいならしてあげてもいいけど？」
『いいんですか！？』
何で上から目線なんだ。
そんな文句を抑えながら、差し出された手に私は自分の手を重ねる。
そして、
晴翔「え、わっ、」
私はその手を強く引いて自分の方へと彼を引き寄せた。
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琥珀(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます！まだまだ春組ですが、気長に待っていただけると嬉しいです！ (2021年5月4日 23時) (
レス) id: 2e5c416c18 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 100話目おめでとうございます！いつも更新を楽しみにしてます。これからも応援してます！ (2021年5月4日 20時) (レス) id: bf03d702ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀
| 作成日時：2021年5月4日 14時
