第１４２話 ページ45
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次の日の朝、
少し眠い身体を伸ばしながら部屋を出ると、ドタドタと聞こえてきた足音。
不思議に思いながらレッスン室の方まで行けばそこには予想外の光景が広がっていて。
殺陣の練習をしている咲也を教えていたのは...なんと真澄。
シトロンから話を聞けば、いきなり部屋に押しかけてきた真澄が急に咲也に教え始めたらしい。
シトロン「真澄がデレたヨ！」
真澄「別にそんなんじゃないし」
『でもなんで真澄は急に』
私のその言葉を聞いてなぜか真澄はこっちを見る。
真澄「アンタが言ったんだろ」
『え、何を』
真澄「うざ、分かんないならいい」
『は？』
急な悪口に眉間に寄せてもそれ以上真澄は何も言ってこなくて。
いや、意味が分かんないんだけど。
そう心の中で文句を言いながらも、稽古に集中し始めた二人を邪魔しないように私は口を噤んだ。
* * *
真澄の稽古のおかげか、咲也の動きは大分良くなってきて。
夜の稽古の時には、ゆっくりではあるけど通せるまでには仕上がってきた。
いづみちゃんもこの調子なら本番で殺陣をやってもいいって言ってたし。
伊助「じゃじゃーん！みなさん、衣装ができましたよー！」
『あ、幸だ』
そんなことを考えていると、伊助さんと幸がレッスン室に入ってきて。
伊助さんのその言葉と共に幸は持ってきた衣装を皆の前に見せる。
『まって、幸天才なんだけど』
綴「中学生って聞いたときは大丈夫かって思ったけど、腕はプロ並みだな」
幸「当たり前」
そう言ってふんと鼻を鳴らした幸を余所に、私は幸が作った衣装に目を奪われる。
全体の華やかさもそうなんだけど、細かい装飾にもちゃんとこだわってて。
これが手作りだとは。
幸「Aにはこれ」
『え？』
そう言って幸に手渡されたのは赤と青の２種類のシンプルなシュシュ。
外側には金色の柄が入っていて、何となく今回の衣装にもどこか似ている様な。
...もしかしてこれって、
『幸が作ってくれたの！？』
幸「別に布が余っただけだから、変に勘違いはしないでよね」
『え、かわいいんだけど！つけちゃおっ』
幸「人の話聞いてる！？」
どこか呆れながらも私が髪の毛につければ「似合ってるじゃん」って言ってくれる幸。
幸には今度お礼しないとな、と思いつつ私は幸にありがとうとお礼を言った。
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琥珀(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます！まだまだ春組ですが、気長に待っていただけると嬉しいです！ (2021年5月4日 23時) (
レス) id: 2e5c416c18 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 100話目おめでとうございます！いつも更新を楽しみにしてます。これからも応援してます！ (2021年5月4日 20時) (レス) id: bf03d702ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀
| 作成日時：2021年5月4日 14時
