第１２２話 ページ25
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綴「それで、さっきからずっと黙ってるこの人は？」
ざっとデザイン画のラフ書いたらまた来る。
そう言って幸がレッスン室から出て行った後に、おずおずと口を開いた綴。
確かに幸だけ紹介されて、このガタイのいい男の人については何も聞かされてない。
そんな中、私と綴以外はびっくりした顔を浮かべていて。
いづみ「え！？」
真澄「全然気づかなかった」
『え、最初からいたよね？』
綴「いたな」
うんうんと頷く綴にほっと安堵すれば、伊助さんはニコニコと笑みを浮かべて彼の横に立つ。
伊助「大道具をお願いする大工の鉄郎さんです！先代の頃からたまに手伝ってもらってたので、大工の腕はお墨付きです！」
鉄郎「...」
伊助さんのそんな紹介にも、鉄郎さんという人はずっと黙ったまま。
いづみ「主宰兼監督の立花です。よろしくお願いしますね」
鉄郎「...」
その態度はいづみちゃんが自己紹介をしても変わらなくて。
皆が不思議そうな顔をしてる中、伊助さんだけが相変わらずニコニコしてる。
伊助「『よろしくお願いします』だそうです」
『えっ』
いづみ「聞こえるんですか！？」
綴「っていうか何か言ってたんだ！？」
鉄郎「...」
伊助「『頑張ります』だそうです！」
え、やだ怖い。
確かに何か聞こえてくるような気もしなくないけど、純粋に何が何だかわからない。
頭が追い付いていかない私を余所に、綴は苦笑いで伊助さんに話しかける。
綴「なんでわかるんすか」
伊助「昔からの付き合いなんで、なんとなくですかねー」
『あ、聞こえてる訳ではないんだ』
それは、普段あんなに頼りない伊助さんが実はすごい人なのかなって初めて思えた瞬間で。
呆然とする私たちをよそに伊助さんだけが鉄郎さんと楽しそうに会話をしてる。
鉄郎「...」
伊助「あははっ、そうですよねー！」
『...』
至「Aなんで逃げてんの」
『いや、あれ見て恐怖を抱かない方がおかしいと思う』
至「...確かに」
だって鉄郎さん真顔だからね！？
笑ってるの伊助さんだけだから余計に怖いんだけど。
そんなことを思いながら、私は皆の背中に隠れるように後ろの方へと移動した。
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琥珀(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます！まだまだ春組ですが、気長に待っていただけると嬉しいです！ (2021年5月4日 23時) (
レス) id: 2e5c416c18 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 100話目おめでとうございます！いつも更新を楽しみにしてます。これからも応援してます！ (2021年5月4日 20時) (レス) id: bf03d702ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀
| 作成日時：2021年5月4日 14時
