難儀な結婚話

20：デート ページ20

【夢主side】


お見合いをしてから早数日…の、ある水曜日。
権力というものはすごいもので、婚姻届を役所に届けるためだけにその前からあって初のデートをしている。

大型商業施設で軽くショッピングしたあとに映画を見て、その後に役所に行くことになっている。
そのあと時間があれば、不動産屋に行くらしい。

私のカミカゼのシフトは融通がきく。
マスターが基本暇だし、磯貝は本業が終わればいつでも大丈夫。金子ちゃんだって大学の講座がない時間は入り浸っていると言っていいほど、ずっといる。

だが、降谷さんはどうだ。
彼は公務員だ。警察官だ。
それも、公共の安全と秩序を維持することを目的とする部署…組織の人間だ。
休日ならまだしも、平日の真昼間に遊んでいていいはずがない。


父さんが権力を振りかざしたのだろう。まったく、何を考えているのやら。


権力というものはすごいものだ…(再確認)


そして今私は、黄色いタコの人形見つけたので、持ち上げながら買うか迷っている。
降谷さんはというと、店の外から私の手の中にある人形を見ながらものすごく困惑の表情を浮かべている…()

しょうがないじゃん！黄色のタコってなんかシンパシー感じちゃったんだもん！

｢え、玲？｣

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