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家に帰ってお風呂に入ってご飯
お兄ちゃんは今日のライブの話をする
この曲のここがどーだった、とか
あの曲でちょっと間違えちゃった、とか
「A、楽しかった？」
「うん、楽しかった！
ずっと行ってなくてごめんね」
「もーほんとだよ、このバカ
来年からはまた来てくれる？」
「うん！絶対に行く」
「ツアー終わるまでは色々地方に行くけど、家のことよろしくな」
ツアー中はお兄ちゃんが家にいない
寂しいけど、必ず毎晩電話をしてくれるの
電話越しに聞くお兄ちゃんの声は
なんだかくすぐったくて、また違った嬉しさがある
私のことを気にかけてくれてるってだけで
すごか嬉しい
でも、
それも私が「妹」だから
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ねえ、お兄ちゃん
なんで私達は兄妹なんだろうね
.
そんなこと聞いたって意味ないか
お兄ちゃんは私のことを妹としてとても大切にしてくれてるから
私がお兄ちゃんに恋してるなんてきっとこれっぽっちも思ってないんだろうな
お兄ちゃんは周りの人をよく見ているから鋭いけれど、兄妹だからバレないための術くらいわかってる
それもまた私にとっては苦しいことで
お兄ちゃんがお兄ちゃんじゃなければよかったのに
兄妹ってだけで羨ましがられるようなお兄ちゃんだけど、私はそれよりもっと上の愛おしい関係を求めているから
そんなことを思ってしまう私は
世界で一番最低な妹だ
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作者名：いなりずし | 作成日時：2019年8月15日 22時
