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それからずっとお兄ちゃんは元気がなかった





結局その報道が世に出回ることはなかったけど





随分と処置を取られたみたいだった





.





「ただいまー


え…」





女の人が家にいた





もしかして…お兄ちゃんの…?





報道は既に過去のこととなっていて

私はてっきりお兄ちゃんとは終わったのかと思っていたのに





「はじめまして


大貴の彼女です、おじゃましてます」





そうやってお辞儀をした女の人は

私もよく知る綺麗な女優さんだった






.





「お兄ちゃん!どういうこと!」




女の人の挨拶なんて無視して
お兄ちゃんのところに駆け寄った





「ごめん、A




今は会える場所がここしかなくて」





なんで





せめて、私がいない時にしてよ

こんなの知らないままが良かった





「ごめんね、私がわがまま言ったから」





気づいたら後ろから入ってきた女の人





「ほら、A

ちゃんと挨拶して?」





お兄ちゃんは彼女さんの肩もつの?





私のことは考えてくれないの?





お兄ちゃんにも女の人にもイライラして





私は家を飛び出した





.





「お兄ちゃんのバカ!」

8→←6



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作者名:いなりずし | 作成日時:2019年8月15日 22時

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