〜姫君と神様〜 ページ39
どのような対策を取るべきか話し合う前に、ホイッスルが鳴り響き試合再開。
(あの手の動きを見なければいい、ってこと……? いやでも、フィールド上で目を瞑ったりなんて……)
むむむ、とAは思わず唸る。
しかし、やはり例の動きを見ないようにするには目を瞑る他無い気がする。
(っ、来た!)
どんどんと日本陣に攻め込んでくるオーストラリア代表。
Aは素早くその前に立ちはだかると、ボールを奪うべく両手を構えて──。
「薔薇色の──」
けれども、相手がそれをやすやすと見逃してくれる筈もなく。
先程サタンを笑っていたこの選手……サルは、今まで散々話題になっていた「あの動作」をAに仕掛けてきた。
(!!)
舞、と続きを叫ぼうと、ずれたタイミングを取り戻すことは出来なかった。「薔薇色の舞」は呆気なく不発に終わる。
「あ……っ」
「おっと、有星今日は不調か!? 技をかわされ相手選手を通してしまったー!!」
実況の「有星」呼びにツッコミを入れる余裕もなく、Aは自らの隣をあっさり通って行ったサルの後ろ姿を見つめた。
──かかってしまった、
「おい有星」
「……あぁ、うん……ごめんね……」
「聞いてっか有星。あ・り・ほ・し」
「そう、私は有星……ただの有星……」
明後日の方向に焦点の合っていない瞳を向けながら、適当な返事をする。
実に揶揄いがいのないAのこの様子に、ヒロトは不服そうに舌打ちをした。
次の瞬間、Aの額の一箇所に激痛が走る。
我に帰り、目の前のゴッドストライカーサマにデコピンを決められたと脳が理解するまで、然程時間は掛からなかった。
「──痛っった!? 暴力反対!!」
「あ?こんなん暴力の内に入んねえよ」
(この神様……普段どれだけのことを……)
Aが思わず身震いする。
殴る蹴るは当たり前の、昼夜銃弾と血が飛び交う世界にでも生を受けたのだろうか。
暴力団とかと抗争起こしてるんじゃないか、とAは一瞬本気でそう思った。
「Aのくせにウジウジしてんじゃねえよ。調子狂うだろ」
「何よ、調子狂うって」
「はぁ? ──……何つぅか、」
その時、通知音と共に2人のイレブンバンドに指示が届いた。他のメンバー達も、次々と手首に視線を向ける。
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レーニャン - 応援しているので無理せずに!!更新待ってます!! (2021年1月27日 22時) (レス) id: b30d9de8f4 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - この作品とても面白い!更新頑張って下さい(^o^)/ (2020年6月10日 18時) (レス) id: c80579e6b6 (このIDを非表示/違反報告)
美玲 - 色々な所に出没して申し訳ないですが、この作品も面白いです!皆さんが言っているように姫乃ちゃん可愛い!全てが! (2020年3月3日 15時) (レス) id: 5c4eeb1e66 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - 知波留さん» 全然大丈夫です!しっかり伝わってるので!!良かったね有ほs…姫乃ちゃん!「今有星って言いましたよね?」気のせいちゃいます?(何故関西弁)「知波留さん、ありがとうございます!か、カワイイ…///」照れてますね。本当にありがとうございます! (2020年1月26日 21時) (レス) id: fb659ead07 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - 知波留さん» コメントありがとうございます!夢主ちゃん大好評ですね!やっぱ「有星じゃなくて姫乃です!」が可愛いんでしょうか…!本当ですか!?理想!凄く嬉しいです!なかなか更新できずすみません…全然アイディアがまとまらないんですよね… (2020年1月26日 21時) (レス) id: fb659ead07 (このIDを非表示/違反報告)
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