妖怪ウォッチを持つ少女は世界に羽ばたく【オリオンの刻印】

〜嫌な予感〜 ページ26

試合はホイッスルにより再開される。次は誰を召喚しようか、Aが悩んでいると……。

「？囲まれてる……？」

ヒロトが相手選手たちに囲まれている。
彼らの浮かべている表情に嫌な予感を感じとったAは、すぐさま走って近づいた。
すると、相手のスパイクに付いている何か(・・)が光に反射してキラリと光った。

これは──。

「鏡……っ！？」

(何でスパイクに鏡なんて──ま、まさか……鏡の反射でヒロト君の目を……！？)

「くそっ──
ザ・エクスプロージョン！！」

前半にも日本がやられた、鏡による目くらましの被害者になる前に、ヒロトが堂々にもフィールドの中央で技を使い、危機回避した。

「──危なっ、巻き込まれる！」

Aが慌てて後ずさりする。
荒々しく豪快な技だと言うのは、生で観戦したこともあるし分かってはいたのだが……実際にフィールド上で、しかもこんな近くで見ると、やはり危険を感じてしまう。

技への反応が遅れた相手選手達は、「ザ・エクスプロージョン」の勢いでフィールドに座り込んだ。

「鏡……！？一体どういう事……！？」

「よく分からないが、相手はそういうチームらしい」

鬼道は皮肉っぽく言うと、韓国イレブンを鋭く睨みつけた。

「チーム……！？」

「あっ、来るっ！」

明日人の大声で我に返ったA。
だが、次の瞬間には……

「特攻バッファロートレイン！！」

「えぇっ！？」

「うわあああ！！」

「きゃあああ！！」

強引に突き進む、超攻撃型の3人がかりでの必殺技。
攻めを得意とする韓国らしいと言えばらしいのだが、皆は呑気に感想を言ってる場合じゃない。

「いったぁ……あっ、まずい！」

フィールドに投げ出され、うめくAだったが、すぐに今自分達がおかれている絶対的不利な状況を思いだし、ゴールを振り返った。

「うわぁ！」

「風神雷神！！」

倒れる風丸を、円堂が技で支えるが、その間に、こぼれ球を相手が蹴り……一点を許してしまう。

「あぁぁ……やっちゃった……」

Aは額を押さえて悲しげに言った。

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