イナズマイレブン オリオンの刻印 〜45分間の女神〜

〜VSレッドバイソン〜 ページ16

「ふわ〜」

あくびをしつつ、Aがベッドから飛び起きる。
今日は韓国との試合。初のイナズマジャパンの大舞台だ。

「皆、おはよ〜」

部屋から寝ぼけ眼で出てくる仲間達に、Aが朝の挨拶をする。

「眠い。眠い。眠い。ねむ…」

呪われた様に連呼する明日人。

「分かった。分かったから、な？」

氷浦が明日人を落ち着かせる。

「韓国戦…負けるかあ！」

「そもそもアンタが試合に出れるかが怪しいな」

「んだと灰崎！」

とても一年と三年の会話とは思えない。

「剛陣先輩、落ち着いてください。灰崎君はいつもこうです」

「くー…」

Aが宥めると、剛陣は悔しげに唸った。









そして、試合会場に着いた。

(そう言えば、韓国にオリオンの使徒はいるのかしら…)

かなり重要な事を忘れていたA。すぐに自分のスマホを取りだし、父から送られているオリオンの使徒情報を開こうとすると……。









「じゅ、充電切れぇ〜〜……」
まさかの展開に、Aが崩れ落ちる。

「何で〜…見とけばよかった〜…」

Aがガッカリしまくっているのを見て、ニヤリと笑うのは、日本に潜むオリオンの使徒であった。

「どしたの？A」

明日人が来た。

「い、いや…何でも…さ、早く行きましょ」

「?」




「さあ注目の一戦、
日本代表『イナズマジャパン』対
韓国代表『レッドバイソン』の試合が、今始まろうとしています！」

実況が会場に声を響かす。

「うー…緊張」

スタメンに選ばれたAは、ポジションにつきつつも、胸を押さえていた。

「いつも通りやればいいだけだ！いくぞ、皆！」

「オーーッ」

円堂の号令に、皆の士気が上がる。

(オリオンの使徒…オリオンの使徒…うー、オリオンの使徒は誰なのよ〜)

Aが韓国の選手を見回すが、正直皆怖そうな顔で、全員オリオンの使徒に見える。

「…残念だがこの試合、日本は負ける」

一星が、ベンチでボソッと呟く。

「ん?何だ？」

剛陣が聞き返す。
すると一星はいつもの顔に戻り、

「いえ、何でも。日本がどこまでやれるか楽しみですね」

とにこやかに言った。
ピーーーッ
笛が鳴り響き、
日本と韓国の闘いの火蓋は


切って落とされた。

(オリオンの使徒が誰でも良い…
今大事なのは、日本が勝つこと！)

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