パンドラの匣

４０　豪華客船 ページ41

組合がくれた豪華客船

宣戦布告の前土産だそうだ

誰も来ない一室

監視カメラや人気もない所

内装が豪華で、いくらぐらいするのか見当もつかない年代物のアンティーク調の家具達

大人っぽい黒いドレスに身を包んだ箱庭は椅子に腰かけ、目の前の白い道化師とテーブルに並んだ

スイーツを食べながらチェスを行う

ゴーゴリ「ドス君が捕まった」

黒い駒が一つ前に進む

箱庭「どうせわざとでしょ？」

白い駒が前に進む

ゴーゴリ「いや・・・匣ちゃんに嘘は意味ないか・・・そうだよ 態と」

黒い王が後退する

箱庭「私に言っていいの？」

ゴーゴリ「匣ちゃんには嘘が通じない 隠すだけ無駄さ」

箱庭「わぁ、嬉しい」

白い駒が黒い王に迫る

ゴーゴリ「匣ちゃんは・・・鳥は好きかい？」

箱庭「自由に飛ぶ様子は奇麗だよね」

白と黒の盤上で互いの駒が動き回る

ゴーゴリ「僕は好きだよ 重力に囚われず飛翔する完全な自由 僕はそれを求める」

箱庭「だからドストさんといるの？」

ゴーゴリ「うん」

箱庭「ふーん・・・」

ゴーゴリ「理解してくれとは言わないよ

結局理解してくれたのはドス君だけだったし・・・」

箱庭「別に否定はしないよ というかむしろ納得もできる」

ゴーゴリ「え」

箱庭「自由を求める 立派ないい理由じゃん」

はい、チェックメイト

黒い王をコツンと倒し、そういう箱庭

ゴーゴリの方を向きニコリと笑う

箱庭「理解、できるよ」

ゴーゴリ「・・・そっか」

ゴーゴリ「やっぱり君は凄ごいよ」


ゴーゴリ「優しく、賢く、強かで

とても美しい」

箱庭「嬉しいことを言ってくれるね」

ゴーゴリ「いや、愛らしいの方がいいかな？」

箱庭「あはは」

周りに人が寄り付かない

豪華客船の一室で

宝物庫と道化師が笑い合った

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