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星【7】 ページ7

「僕は、君が何を目論んでいるかは分からない。君が既に善に関して手遅れだという事も、君のこの先の生き方に光明が感じられない事も、幾ら僕がどうしようもなくとも、これだけは理解している」

静かにジョジョは、一字一句慎重に述べた。
まるでドミノを倒さぬようにと心して並べるように。

「でも....でもね」

ジョジョはフゥーッと息を吐いたかと思うと、鋭利な目で俺を見た。
あの時の、あの女の目と似ている。
エリナに、酷似している。

「僕は、君を放っておけない。希望を、全て捨てることができないんだ」

いつか、クソ親父に殴られた上意味もなく家を追い出された夜を思い出した。
痣が残るまで殴られ、投げつけられた酒瓶が破損し、飛び散る破片で頬を掠り些かな血を流し、強烈な嘔吐感に襲われつつ千鳥足で適当な場所まで歩く。
適当に進み、適当に辿り着いた土手に脱力するように倒れ込んだ。

その時に見た、暗闇の大空に広がる星空。
どちらが天か地かも分からず、まるで無重力の空間を彷徨っている気分だったあの時。
その空間の中に、星空は広がっていた。
俺はその輝きが一番嫌いで、自分が醜くちっぽけに見えてしまう。

ジョジョの瞳にも、その星空が拡幅していた。

俺は多少動揺していた。もう強がりも言えない。素直な自分を晒そう。
「動揺していない」と虚勢を張ったところで、何も変わらない。

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DIO様ラブ☆ - DIO様がぁ……拷問?を受けて「コ□せよ」と言った時……泣いちゃった………あんなにまで誇りを捨てるなんて……………承太郎許せん!!アイズオブヘブンで再起不能にしてやる!!!(もちろんDIO様とプッチで) (2018年7月31日 12時) (レス) id: b551eccf14 (このIDを非表示/違反報告)
姉がうるさい - 最初見たとき、「うおっ、何だこれ………」って思いましたが、だんだんと呼んでいるうちにこの小説が好きになっていました!とっても面白かったです! (2016年9月7日 21時) (レス) id: 684bc7dbab (このIDを非表示/違反報告)
コロネ君(プロフ) - 紳士さん» はじめまして、こんにちは!有難うございます(^∇^)頑張ります!!! (2014年7月16日 21時) (レス) id: 1152812d15 (このIDを非表示/違反報告)
紳士 - はじめまして!!すごくおもしろいです(`∀´)!!更新頑張ってください(≧∇≦) (2014年7月16日 0時) (携帯から) (レス) id: d345fe67e9 (このIDを非表示/違反報告)
コロネ君(プロフ) - クロシロさん» きさま!見てしまったなッ!? 勉強に精を出すのだ馬鹿者ッ! (2014年5月20日 17時) (レス) id: 1152812d15 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:コロネ君 | 作成日時:2014年5月18日 0時

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