第57話 ページ8
デザーム『お前達を追放する。』
レーゼ『うわあああっ！』
A｢…！｣
勢い良く起き上がり、荒く息をする。
A｢ハァ…ハァ…夢…？｣
息を整えて、汗を拭く。
鬼道｢義姉さん、大丈夫か？随分魘されていたが…｣
顔を上げると、有人君が心配そうな顔で、私を見ていた。
A｢有人君…うん、ちょっと怖い夢見ちゃって！｣
私は、有人君に笑いかけた。
鬼道｢そうか。｣
A｢それより、どうしたの？｣
鬼道｢夕食が出来たから、呼びに来たんだ。食べれそうか？｣
A｢うん、食べる食べる！早く行こ！｣
私は笑って、イナズマキャラバンを降りた。
A｢え？戦わない？じゃあ、どうするの？｣
円堂｢考えても仕方ない。俺達は俺達で、今出来ることをするだけだ。｣
鬼道｢吹雪が、練習場所を聞いてくれたんだ。｣
円堂｢おう！早速、明日から練習だ！｣
晩ご飯を食べ終わって、皆就寝につく。
A｢…｣
私は、寝れずにいた。
A｢ちょっと散歩しようかな…｣
私は、皆を起こさないように、イナズマキャラバンを出た。
A｢綺麗…！｣
少し歩いて、夜空を見上げると、無数の星達が瞬いていた。
小さい頃、一度だけお日さま園に泊まったことがある。
夜中、園を抜け出して、星を見に行ったっけ。
緑川『見て見て！今、流れ星流れたよ！』
A『あっ、ほんとだ！』
南雲『あ？A、何してんだよ？』
涼野『知らないのか？流れ星に願い事をすると、叶うらしいぞ。』
南雲『そうなのか？んじゃ、俺も願い事する！』
A『どうせなら、皆でしようよ！』
ヒロト『そうだね。』
緑川『ねぇ、皆はどんな願い事したの？
俺は、皆とずっと一緒にいられますように！』
涼野『私は、アイスをたくさん食べたい。晴矢は？』
南雲『俺は、Aにゲームで勝つ！』
涼野『どうせ負けるくせに…』
南雲『んだと！』
A『2人とも、喧嘩しないでよ！』
ヒロト『ねぇ、Aちゃんは何を願ったの？』
A『私は、サッカーがもっと上手くなりますように！ヒロト君は？』
ヒロト『俺は…今のまま、皆と楽しくサッカーが出来ますように。』
ﾂｰｯ…
A｢あれ…？｣
私は、知らない間に泣いていた。
A｢うっ…｣
拭けば拭くほど、涙はどんどん溢れてくる。
A｢うわあぁぁんっ！！｣
私はその場に蹲って、大きな声で泣いた。
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年10月5日 21時
