第69話 ページ20
不動｢ふふふふ…｣
佐久間｢今度は、お前達が敗北の屈辱を味わうことになる。
俺達には秘策があるのさ。｣
不動｢おっと、それまで。敵に情報を教えちゃダメだぜ。
それと鬼道Aちゃん、うちに来いよ。｣
A｢え…？｣
不動｢ちょーっとだけ、お前のこと調べさせてもらったんだけどさ、お前鬼道のこと恨んでんだろ？｣
A｢…！｣
鬼道｢義姉…さん…？｣
不動｢鬼道財閥の跡取りを奪われた上に、父親も奪われて…そりゃ恨みたくなるよな。｣
A｢何言って…｣
ｶﾞｼｯ!
不動君が、私の肩を強く掴む。
A｢ッ！｣
不動｢なぁ、来いよ。俺なら、お前を必要としてやれるぜ。｣
A｢…｣
確かに、鬼道財閥の跡継ぎが有人君に変わった時は悲しかった。
今度こそ本当に、お父さんに本当に必要とされなくなった気がしたから。
でも、それは仕方ないことだって思った。
男の子がいれば、必然的にその子が跡継ぎになる。
だから私は、有人君を恨んだことなんて一度もない。
私はお義姉ちゃんだから、有人君の支えになってあげようって決めた。
そう決めたはずなのに、あの時…雷門中との決勝戦の前、感情が高ぶって、有人君に全てを吐き出してしまった。
結果的に、私は有人君を傷付けてしまった。
ﾄﾞﾝｯ!
私は、不動君を押し返した。
不動｢おっとっと…｣
A｢私はもう影山と決別したの！影山について行くなんて愚かなこと、もう絶対しない！｣
私は、不動君を睨んだ。
不動｢ふーん。まっ、精々頑張るんだな。｣
そう言うと、不動君達は歩いていった。
鬼道｢義姉さん…不動の言ってたことは本当なのか？｣
振り向くと、有人君は私を見ていた。
A｢私、有人君を恨んだことなんて一度もないよ。｣
そう言って笑いかけると、有人君は安心したように微笑んだ。
皆がグラウンドに来て、試合の準備をする。
瞳子｢鬼道君、鬼道さん。佐久間君と源田君は、君達のチームメイトだったんでしょ？｣
鬼道｢だった、じゃありません。今でもチームメイトです。｣
A｢うん。｣
瞳子｢そう。今日の試合、貴方達に任せるわ。｣
鬼道｢ありがとうございます。｣
円堂｢鬼道、A、やろうぜ。｣
鬼道｢だが、相手は影山だ。どんな汚い手を使ってでも、勝とうとしてくる。｣
円堂｢どんなに汚いやり方でも、俺達は正々堂々と打ち破ってやる！なっ、皆！｣
皆｢おーー！！｣
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年10月5日 21時
