My whole life

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短刀ページ9

大倶利伽羅と過ごして数日がたったので、そろそろ仲間を増やしてもいいかな？っと思い、鍛刀室に足を運んだ。
大倶利伽羅は一人で戦いに挑みに行っている。

…鍛刀部屋を覗けば、待ってましたと言わんばかりの妖精さん達が私の目の前までやってくる。
いつもの日課で、今日はチョコレートパイをあげれば大倶利伽羅と同様に後ろに桜が舞っていた。
最初に大倶利伽羅が桜舞っていたときは驚いたのだが、こんのすけ曰く喜んだ時や、嬉しかった時、幸せだと思ったとき、調子の良い時に現れる象徴だと教えてもらった。それに成程と納得した私も少しはこの世界に慣れてきたんだなと感じる。

とりあえず、なにもいじらずにそのまま鍛刀いる妖精さんに指示をする私。
時間を見ると３０分と書かれていた。

今回は特別にこんのすけから手伝い札を貰っていたので、遠慮なく使うことに。
一瞬にして一つの小さめの刀が出てきた。今回はどうやら短刀らしい。
そう言えば、大倶利伽羅の刀は打刀だからか重かったなと思いながら慎重に短刀を握る。そして、力を貸してくださいと願いながら柄を引いた。
すると、大倶利伽羅の時と同様桜の一房が流れたと思ったら目映い光が現れる。次に目を開けたときには目の前に背の低い帽子を被った男の子が立っていた。
「平野藤四郎です。お付きの仕事でしたらお任せください」
少し緊張しているご様子ではあるものの、はきはきとした口調で彼は言った。
よろしくお願いいたします、藤四郎君と呼ぶと彼は「兄弟殆どが藤四郎なので平野とお呼びください」と言っていたので改めて、平野君と呼ぶと彼もはぃ！とにこやかに笑ってきた。
他の兄弟のことを聞くと、彼の兄弟、通称「粟田口」は粟田口吉光さんと言う正宗派に並ぶほど有名な刀職人だそうだ。
吉光さんは特に短刀が得意だったこともあり、兄弟が、沢山居ることを平野くんに教えてもらった。話終えると、平野くんは
「あ、あの…他の方はいらっしゃらないのですか？」
静けさのある本丸が気になっていた様で、私に聞いてきた。
「いいえ、一人居ますが、今任務に行っていますね…後数分で帰って来ますよ」
「あ、あの…敬語は仰らなくて構いませんよ、貴女は主君なのですから…」
数日前の大倶利伽羅と同じこと言っていたため、そうかな？と思い
「わかった、それじゃ彼が帰ってくる前までこの本丸の案内するね」
と言えば、かしこまりましたといい返事が帰ってきた。