My whole life

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よろしくページ6

とりあえずこんのすけに一旦外に出てもらうと、用意された巫女装束に着替える。幸いなことに、正月バイトに巫女装束を着る機会があった私は、すんなり着替えることが出来た。その後、本丸の探索と共にこんのすけと大倶利伽羅を探すことにした。
しかし、鍛治屋、手入れ部屋、お台所、道場。馬小屋、畑。様々な空き部屋を探してもお目当ての彼は見当たらず。首を傾げる。そう言えば、自己紹介が物凄く簡潔で、誰とも馴れ合う気がないと自ら言っていた。もしや、まだこの本丸には人がいないとは言え、人が通りそうな所は好ましくないのだろうか…
ふと部屋から眺められる大きな庭を見る。用意されていた草履を履き、少し探索してみる。彼が好みそうな場所は…
人が増えても静かなところで、見つかりにくい場所。彼の第一印象を元に居そうな場所を探せば、木々の隙間から見慣れない脚が見えた。

にゃー

思わずビクッとする。足元から子猫が出てきたと思えばまた、また出てきた場所に逃げていった。木の根元には、それに寄りかかるように休んでいる彼が居た。
足元には何匹かの子猫が同じように丸くなり休む様子が何故か絵になるようで…
…意外だな…それとも昨日こんのすけにいっていたもふもふは本当に言っていたの？…
こちらの世界にも一応四季と言うものはあるようで、じっとしているとやはり少し肌寒い。
一人にしておくのもな…と考えていると彼は目が覚めていたらしい。
「用がなければ放っておいてくれ」

金色の鋭い目が私に向かっていた。
「用ならあります。貴方がここまで私を運んでくれたことのお礼と、これからお世話になりますと言う挨拶が残っていますから」
微笑みながら言えば、彼は「馴れ合う気はないからな」と予想通りの答えが帰ってくる。
「ですが、協力はしていただけるんですよね？」
否定しない辺りそれは肯定の意味なのだろうか。
さて、挨拶も終わったことだし
「ご飯にしましょう…その猫ちゃん達の分も含めてね」
にこやかに言えば、ぴくっと彼が反応する。
「主、言っている意味わかっているのか？」
「見るからにこの子達は野良猫でしょうね…でも貴方にとても懐いているし…少しぐらいならよしとしましょう…それより食べたいものありますか？」
「…特にないな」
「わかりました、適当に作りますよ…さぁ、行きましょう」

先に歩き出した主を見て、溜め息をする大倶利伽羅。
そんな１日の始まりだった。