課題 ページ47
『まぁ…いきなりだったから驚いただけだから良いけど…それで？なにがやはりだったの？さっき攻撃してきた行動と関係があるんでしょ？』
もう怒っていないことを伝え、彼がいきなり行った行動の理由を聞く。
「あんたのダンスと攻撃行動パターンが一致していた」
『えっ？』
「その曲、どの曲よりも躍り慣れているんじゃないのか？」
『う、うん…だってこれが一番最初に踊った曲だから』
彼の質問に戸惑いながらも答える私。
「その躍りの動作があんたが普段攻撃してくるパターンに似ていた…あんた自身わかっていないと言うことは無意識にやっていることだろうから、相手にとってはその攻撃は読みにくい厄介なものだろう…だが、似ている攻撃は段々攻撃が通らなくなる。言っている意味はわかるんじゃないのか？」
『…延長戦になればなるほど不利になるってことだよね？』
私の問に彼は頷く。まさか、踊りが攻撃パターンに含まれていたなんて想像つかなかったのだが…確かに、体に身を任せていたら自然と攻撃が良く通っていたし…何も考えない方が動きやすかった。彼は自然と身に付いた動きだからこそ、それが癖になってしまって、直すのに手が掛かってしまったり…最悪、相手にすぐに気付かれてしまい返り討ちにさせてしまうことを教えてくれる。
「今それに気づいているのは俺くらいだが、それを直しつつ改善しない限りあんたはそのうち、誰にも攻撃が通らなくなる…ある意味ワンパターンな攻撃方法だからな…」
『…どうすれば様々な攻撃が出来るようになりますか？』
「…さぁな…だが、その動きを意識的に出せれば…相手は攻撃が読みにくい。上手くいけばお前にしかわからない動きになれるだろう」
『…それじゃあ、いろいろな動きをマスターした方が良いってことだね…』
「やってみれば良いんじゃないのか？…それと…」
『…えっ？急にどうしたの？』
「俺がただ自分のためにやるだけだ…あんたが嫌ならそれでいい」
『いや、それくらいなら別に良いんだけど…ちょっと意外だっただけだから』
「…そうか」
大倶利伽羅からの突然の発言。ちょっと想像つかないけど…
でも、そういったまた違う彼を見れるなら面白いかも…
こうして暫く、二人の時間は続いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セローナ | 作成日時：2017年3月8日 0時
