My whole life

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趣味ページ46

特設道場につくと、一応左右回りの確認をして彼と一緒に入る。
部屋は闇に包まれていて、静けさが漂っている。
私が手を一回叩くと、一瞬にして灯りが灯る。
「それで…あんたはこんなところでいったい何を？」
『…ダンスをしようと思ってて』
恥ずかしそうに告げると大倶利伽羅は無反応だった…いや、ダンスと言う言葉が聞いたことがないので、そうならざるを得なかったのだろう…
「…なんだそれは…」
『えっと…簡単に言えば日本舞踊みたいなもの…のようで全く違うものかなぁ？』
その時私は大倶利伽羅がきょとんとしているなと安易に想像ついた…まぁ、これは…
『…実際に見せた方が早いよね？』

音楽を流し、私はいつものように踊る。
音楽が一番好きだった私は、それにともない躍りも好きだった。
日本舞踊、ブレイクダンス、創作ダンスなど…様々なものにチャレンジをし、時には誰にもバレないように男装して動画に投稿するほどだった。
まぁ、自分の出来る範囲で楽しんでいる。
曲に合わせて、独特のステップを踏みながら踊る仕草に大倶利伽羅はただじっと見ているだけだった。いつもと違うのは、少し納得したような表情で見つめていたこと。
そして、曲が終わり、最後のポーズを決めると…挙げていた握りこぶしをそっと降ろす。
沈黙が流れる…
まぁ、そうだろうなと、感じながら私はまた曲を流し、別の躍りをする。
踊っている最中に彼からこんなことを投げ掛けられた。
「楽しいのか？」
『私はね…身体は自然と動けるし、あまり大掛かりな振り付けじゃなければ、場所はどこでも出来るから』
音楽もイヤホンで回りからシャットアウト可能とも説明すれば、彼はそうかと呟き、立ち上がる。踊っている私に近づくなり、右手の拳を私に向かって振り上げる。
『っ！？』
それをギリギリのところで避ける私に今度は足を狙ってきた。
『待っ！？』
何とか避けるものの体勢を崩し、尻餅をつく。
ついてしまった所を手で擦りながら思わず彼を睨んでしまう。
「…やはりな…」
『…なにがやはりなのよ…それにいきなり攻撃してくることないでしょ…』
「…敵はいつ攻撃してくるかわからないと言った筈だが？」
『いや、今稽古じゃないじゃん』
流れている音源を止めながら私は少し不機嫌に彼に反論した。
「…すまなかった…」
彼はそれに関しては本当に謝罪してくれているようだった。