宴 ページ44
湯船にも浸かり、涙の後も残さないようにしたため、刀剣男士達誰一人として気付かれることがなかった私は、いつも通りに皆でご飯を食べ、ゆっくりと一時を楽しんでいた。
今日は新しく入った鶴丸さんと三日月さんの歓迎会と無事に任務を終えることができたお疲れ様会が重なっているため、宴も豪華に行われていた。
政府の報告は、お風呂の後すぐに行った為返信待ちである。
お酒が大好きな次郎さんや陸奥守さんを始め、三条、新撰組(お酒が弱いのがほぼ)、織田組(短刀なのに短刀らしくない飲みっぷりの薬研くんはあいかわらす)、そして伊達組…明らかの飲みっぷり(一部除く)に肝臓は大丈夫なのだろうかと心配になってくる。
ちなみに私の手元には自作のアルコール入りのジュース(所謂サワー)が置かれていて、それをチビチビ飲みながら皆を見守っていた。
時には「主ちゃんと飲んでる〜？」
と大瓶抱えた刀剣男士達が私に近づいてくるのだが、日頃滅多に飲まない私を見ている保護者組が私を庇ってくれているので私には危害がなかった。
それにしても…修羅場だ…
我が家の家訓として、お酒を無理に進めない。飲ませない。た
これが絶対条件だった。
なのだが、これは酷い…
お酒が弱いのに自らガバガバお酒を呑んでいく和泉守さん、呑み比べと言う名の争いをしている清光くんと安定くんに飛び入りする同田貫さん、陸奥守さん、御手杵さんに続き粟田口代表の薬研くん。もう手のつけられない状態だった。
もう一方見ると、静かに呑む平安組。三日月さんを筆頭に、石切丸さん、鶯丸さん、岩融さん。そして今剣くんも居る。
一人がぶ飲みしている次郎太刀さんに太郎太刀さんが上手く制御してくれていて…山伏さんが様子を見ながら山姥切くんにお酒を呑ます。それに付き合う堀川くん。
そして、別の方向では鶴丸さんに茶々入れられながら呑んでいる大倶利伽羅。宴の準備でずっと厨房に居た光忠さんも久しぶりの伊達勢で呑んでいる。
何故、こうも違うのだろうか…思わず見て見ぬふりをしてしまう。
でも今日くらいは良いだろう…とりあえず、私は皆を注目させるように手を叩いた。
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作者名：セローナ | 作成日時：2017年3月8日 0時
