My whole life

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お帰りページ43

帰る頃には夕暮れになっていた。
移動用装置のドアが開き、第一部隊。そして、私もその中に入る。
ここでは歴史修正主義者が襲ってくることがない為、先程まで刀剣男子の針積めていた緊張と殺気が徐々に薄れていく。
本丸が見えるとその気配はふと止まった。
起動装置が作動し、ドアがまた開くと第一部隊が入口付近で入らずに待ってくれた。
『ありがとう』
私を気遣ってくれているのだろう。軽く微笑み一番先にドアが潜ると

｢お帰りなさい！｣
｢お風呂にお湯を張っておきました！｣
｢ゆっくりと入ってくるといいよ！｣
｢さて、今日の夕餉はより手の込んだものにするとしよう…｣

と待機組が全員で入口でお出迎えをしてくれた。
皆の暖かい声が本丸に響き渡る。
『ただいま帰りました』
やっと帰ってこられたと言う安心感が出たのだろう。
手足の震えが止まらない。皆に悟られないように笑顔を振り撒き、ご好意に甘え急いで風呂場に向かった。

着ている巫女服のまま、備え付けのシャワーの水を頭から浴びる。
流れ出る赤色、鉄の香り…嗅ぐだけで咽せ返る。

衣服や髪に付いた血はある程度取れ、また透明な水に戻っていく。
服に残ってしまった血も、洗剤などで洗えば落ちる。
しかし私は…昔の自分には戻ることは出来ない。戦場なのだから、元の時代ではないから。
頭ではコントロール出来ていた…と思っていた。
でも、戦場とはいえ、歴史遡行軍(敵)であっても、自分自身で刀を抜き、相手を死に追いやったことは紛れもない事実だ。

『…例え、元の時代(場所)に戻れることがあっても…もう私は…戻れないな…』

そう呟くと自然に涙が溢れれば暫く止まることはなかった。