My whole life

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最奥地ページ41

…どれ程の時が経ったのだろう。随分奥まで進み、回りは倒壊させた歴史修正主義者が転がっている。
出陣前に着ていた私の巫女装束は返り血で汚れている。
頭の高いところで結っていた髪は所々崩れ、毛先は血で固まっていた。
順調に進めている。もう少しで最奥地に到着するであろう…
途中で見つけた一降りの刀。
打刀より長めであることから太刀だと判断できる。

ここで顕現するのは体力を消費してしまうため、本丸に帰ってからでいいだろうとみんなと話し合って決めたため、現在、私の腰に大倶利伽羅途ともにある。

そして、目的地である敵の本拠地に到着。
勿論、敵も存在するのだから油断はできない。
慎重に気配を探る。
しかし、見渡せども敵の姿が見えない。隠れているのか、平野くんや堀川くんを初め、その場にいる全員で気配を探る。
それなのに、人の気配すら感じられないことに疑問を感じていた。
「おかしい…敵の本陣なはずなのに…誰も出てこないなんて…」
「気配すら感じられない…何度か行ったことのある場所だし、偵察力の高い二人が居るから今までこんなことなかったんだけど…ここまで来るとおかしいよねぇ…」
「俺達にビビって逃げちゃった…ってことはないよね？」
「それこそ、今までなかったことだからそれはないんじゃ…」
「もしかしたら検非違使の可能性もあります」
『でも、まだ厚保樫山の最奥地(ここ)にたどり着けたことなんて片手で数える位なのに…それに…』

回りを見渡した私は地面を見つめる。
そう考えるのは確かな違和感があったから。

『…入口にはそれこそ沢山の他本丸の審神者達や刀剣男士達がいたはず…でも今この場所に居るのは、私達だけ…誰かが入ってきた形跡もない…』
「でもそれって、賽の目で目標が変わるんだからあまり気にしなくていいんじゃない？」
「僕たちだって、此処に行けたこと少ないんだしね」
『それでも…私達より早く出発した方々は沢山いたはず…だから、少なくとも何人かは最奥地にたどり着くはず、でも居ないってことは…』

人影のない本陣が事実なのだ…そう、まるで…

『誰かが意図的に私達を拒んでいたかのように…』
「はっはっはっ…勘の良い人の子であるな」

私がそう呟けば笑いながら一人の男性がやって来た。

『貴方はっ!？』
「ふむ、三日月宗近と言う。天下五剣の一つでもっとも美しいとも言われておるな」

美しい顔立ちに威厳のある着物。誰がどう見ても完璧な姿で名前に相応しい刃物(じんぶつ)のようだ。