起床 ページ5
目が覚めると広い空間の中に布団が敷かれていて私はそこに寝かされていた。
一発でここは私の居た世界とは違うものだと実感する。ふと横を見れば用意されていた着物。いや、どちらかと言えば巫女装束があった。
なにも考えずボーとしているとノックと同時に現れたのはこんのすけだった。
「お目覚めのご様子で、おはようございまする主様」
「おはようございます…」
「お目覚めはいかがでしょうか？」
「…あまり良くはないかな…そう言えばもしかして私…」
「それは申し訳ありませんでした。実は本来なら直にこの本丸へつくはずだったのですが、主様をお連れしている最中、何者かの襲撃に逢い、お守りしなければならない主様を落としてしまったのです」
「…はい？」
落としたって…何事？
そもそも誰に襲われたのかもわからないの？
「そもそも、最初は５振りの中から主様が一つ刀剣男子を選び、様々なご説明を受けたのち、任務を実行する。ですがそれを主様はご説明など無しに力をお使いになられた。普通の審神者の方では無謀なことでございます。普通ならばその場で刀を持つことすらできないのですから。ですが、そのお陰だからこそ、危険があったあの時に、貴女様は刀剣男士を召喚できたのです。」
５振りの中から一つを選ぶって…なんかどっかで聞いたことのあるゲームにそっくりなんですけど…
「…つまり、私は特殊ってこと？
」
「そうでございまするな、初期刀が大倶利伽羅など、普通では絶対にあり得ませぬ。」
「ちなみにその５振りの刀は」
「初期刀を既にお持ちの主様には無用なものです。ですが、後に手に入る故にご心配は要りませんよ」
「あっ、そうなんだ…」
後で詳しい説明をすると言ったこんのすけは何か質問はあるかと聞いてきた。
そこで起きたときにふと疑問に思った。ここに運んでくれたのは誰なのかと言うこと。
その事を聞けば大倶利伽羅だとすかさず教えてくれるこんのすけをよそに、私は頭を抱える。いくらあんなことがあったとしても…良く知りもしない男の人に(神様であろうと)お姫様抱っこでしかも寝顔を見られてしまうと言う失態をしてしまったのだ。
あぁ…頭痛い…
「とりあえずお礼を言わなきゃ…これからお世話になるんだし、迷惑をかけちゃいけないよね…」
腑に落ちないことはいくつかあるのだが、それでも適応力には少し自信がある私。
まずは着替えるところからしようと行動をおこすことにした
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作者名：セローナ | 作成日時：2017年3月8日 0時
