課題 ページ31
「…体力は自然に身に付いてくるものだ…それに、無駄に動いていればそれだけ体力は消費する。用は無駄な動きを省いて、その分他の動きに集中させろ…それが今の主の課題だ」
『無駄な動きって言われても…あっ』
確かに今考えてみると、私は相手の隙を探すためにフェイントなど仕掛けることが多かった。
だが、そのために動き回り、ただえさえ少ない体力が削れていた。
これでは隙を見つけたとしても反撃できるはずもない。
「体力がついて、相手の動きを読み取るとこができるまでは余計な動きはしなくていい…それに例え出陣できたとしても、主を一人では戦わせないからな…暫くは自分の身を守れるくらいの実力で充分だ…」
大倶利伽羅のその言葉に、少し複雑な気持ちになる私。
あの申し出の時、大倶利伽羅が私を出陣させてくれることに驚きを隠せなかった。
それと同時に、それだけ私を信用してくれていることが嬉しかったのだ。
でも一人では戦わせないと言っていたことで、私に出来る限り戦わせないつもりなんだとわかった。
これでは出陣する意味が無いに等しい。
大倶利伽羅なりの優しさなのだろうが、私からしてみれば出るからにはみんなの足を引っ張りたくないのだ。
だからこそ、今こうして稽古をつけてもらっている。
彼は私がそう思っていることを知っているのだろうか…いや、知っていての行動だったのか…
…駄目だ、そんな弱気になっていたらいつまでたっても強くはなれないよね、みんなが笑顔でいられる為には笑わなきゃ！
審神者出陣(これ)はその為の試練だと考えれば、辛くても頑張れる！と言うか辛くないよ！
と自分自身に言い聞かせ、奮い立たせる。
さてと…
『十分休みました！続きお願いします！』
「…わかった」
こうして、特訓は続いたのだった
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作者名：セローナ | 作成日時：2017年3月8日 0時
