My whole life

今日:21 hit、昨日:0 hit、合計:8,305 hit

審神者ページ4

「ここに居ましたか‼探しましたぞ主様」
見渡しても姿は何処にもない。
すると、ここですと、下から聞こえ下を向くと隈取りされている狐が居た
「わたしは[こんのすけ]と申します。これより貴女様の案内役を勤めさせてもらいますゆえ、何卒よろしくお願い致しまする」

…おかしいな、今日は一段と疲れているみたい、狐が喋ってるなんて…幻覚が見えるし幻聴が聞こえるんだ…

「主様、これは幻覚でも、幻聴でもありませぬよ‼」

えーと、よくわからなくなってくる…ちらっと大倶利伽羅を見れば、こんのすけをじっと食い入るように見ていた。
かすかにもふもふと言っていたのは気のせいだよね？

「あの、私の家の帰り道を教えていただきたいんですが？」

「本丸でございますか？申し訳ございまする今、転送装置を動かす準備を致しますゆえ、暫しお待ちよ」
「いや、本丸？ではなくて、本当の私の家です」
「それは…出来ません」

…はぃ？出来ないとは一体？…

「貴女様は審神者(さにわ)に選ばれたお方。しかもこの世には珍しいかなり強い霊力の高い、唯一の女性の審神者様でございまする。審神者様は刀の付喪神である[刀剣男士]様と共に過去へ干渉し歴史改変を目論む「歴史修正主義者」に対抗すべく、各時代へと送り込み、戦ってもらわなければならないです」

あ、あれっ？この説明どっかで見た気が…しかも１０分前ぐらいに

「あの…ちなみに拒否権は？」
「ございません」
「あの、私明日とか普通に仕事なんですけど…」
「こちらの方が高収入でございまするよ？」
「いや、そうじゃなくて…」

向こうには大切な友達がいる。
優しい仕事場の先輩達もいる。

「主様には申し訳ないとは思いますが…二度と元の世界に戻ることは出来ないかと…」

…あっ、これよく物語に出てくるやつだ…
私の思考は一気に停止した。
帰れない。ただ、ゲームをやろうとしただけなのに…なんでこうなるのだろうか…

「ささっ、転送装置の準備が整えられましたぞ主様。どうぞ此方へ。」

こんのすけが私の足を引っ張る。

「おぃ、何をしている、行かないのか？」

大倶利伽羅は私を見るなり背中を押す。
でも体が硬直してしまっているため思うように動かない。
ちっ…
舌打ちしたかと思えば突然体が宙に浮いた。
姫抱きされた状態のまま運ばれる。私はそれにも反応できず、遂には意識をそっと闇に預けてしまった。

これが彼等との出会い。