案内役とそして… ページ27
チラリと出入口を見れば初期刀がさりげなく居るのが確認できた。どうやら彼が堀川くんに伝えてくれたのだろう。
私は彼に近付く。彼も毎度の事だからか、特に気にもしていない。
「伝えてくれて、ありがとうございます」
「…別に、案内役を堀川(あいつ)に押し付けただけだ」
「堀川くんなら喜んで引き受けたでしょうね」
「…あんたの予想通りだ…」
ふいと顔を横に背け、そっけなさそうに言った。
人数も増えてきて、新しい刀剣男士で既に本丸内で面識のある刀剣達同士が居た場合はその者に案内役をした方がこの本丸に馴染みやすいのではと言うこんのすけのアドバイスに少し前から取り入れてみたのだった。
彼も元々馴れ合うことをしたくない為もあり、特に反論は無かった。
「置き書きはしておいたから、私は自室に戻ろうかなと思うんだけど」
「勝手にしろ。俺には関係の無いことだからな…それとこんのすけが探していた、何か連絡があるんだろう」
「えっ、こんのすけが？…何だろ？」
今日の任務はすべて終わらせてあり、それも全部政府に送っている。後はもう一度、第一部隊に出陣してもらうだけだったのだ。
それとも何か抜けているところでもあったのだろうか。大倶利伽羅に聞くと
「…さあな、それはこんのすけに直接聞いてくれ…報告は以上だ。俺は行ってくる」
「あっはい！出陣ですよね。気をつけて行ってきて下さいね！」
「…馴れ合うつもりはないがな」
「あはは、頑張って下さい」
そう言って彼が率いる第一部隊は厚保樫山へと出陣して行った。
さて…私はこんのすけの居るであろう作業場に行こう。
そうして作業場に足を向けるのだった。
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作者名：セローナ | 作成日時：2017年3月8日 0時
