My whole life

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手ページ26

「俺は和泉守兼定。かっこよくて強い、最近流行りの刀だぜ？あんたが主か、よろしくな」
「和泉守兼定さんですね。私がこの本丸で主をやらせていただいてます。どうぞよろしくお願いいたします」
いつものように頭を下げ言う。
「そんな、かたっくるしい挨拶なんて必要ないぜ？俺達はあんたに支えているんだからな…まっ、敬意のある行動をしてくれていることは感心するがな！」
笑いながら他の刀剣同様、頭をガシガシと撫でられた。
「主は頭撫でやすいな！」
「そうなんですか？」
和泉守さんに言われ、私は疑問文で返す。
「あぁ、丁度良い位置に頭があるしな！それに俺にとっては丁度手に収まる」
「和泉守さんも手が大きいんですね」
頭に乗っかっている手の形状から、大倶利伽羅や光忠さんと同様の大きな手だった。思わず自分の手を見つめながら比較する。
「主は小さいな」
「これでも私の時代の女性の手の中では平均的な大きさなんですけどね」
苦笑しながら、空いている彼の手に自分の手を合わせてみる。一回り以上大きい彼の手。改めて感じる男女の差を実感する。この手で歴史を守るんだと思うと、なんとも頼もしい手だなと感じた。
「こんな手で主は歴史を守っているんだな」
「実際に守っているのは皆さんであって、私ではないんですけど」
「それでもあんたは上の立場で刀剣(俺達)を使って歴史を守っているんだろう？ならちゃんとしっかり仕事してるじゃねーか」
「そうだと良いんですけどね」
頭に手が離れることなく会話が続く。
それから他愛のない会話をしていると突然後ろから
「兼さん！！」
叫び声が聞こえた。うん、これは間違えない。
「よぉ、国広久しぶりだな！」
振り向けば、目を輝かせながら此方の方に歩いてくる堀川くん。和泉守さんは私の頭から手を離すと、それを上げて挨拶をする。彼はと言うと、堀川くんの目線は完全に和泉守さんに向かっていて、私が見えていない状態だった。邪魔かなと思い、和泉守さんからスッと離れると、私が居た位置にピタリと止まる。
うん、何だろこのフィット感と居て当然というようなオーラは。これは苦笑レベルだ。
そうは言っても堀川くんの今までに無いほどの明るく楽しそうな表情を見ると、顕現出来て良かったと思う。
それに久しぶりの再開なのだ。話は積もるほどあるのだろう。となれば後は彼に任せた方がいい。