心配？いいえ信頼です ページ11
大倶利伽羅が去ってから少し心配した平野君が
「嫌われてしまったのでしょうか」と呟いていたため「そんなことないよ」と頭を撫でた。
彼は一緒に居ることが苦手だけなのだろう…
基本は真面目で近待の仕事をきちんとこなしているし、何だかんだ優しいのでご飯の時もちゃんと顔を出して一緒に食べてくれている。
そう言うことをしてくれているので私も彼のつきあい方で、べったりといつも一緒と言うことも、全く関わらないと言うこともない。持ちつ持たれつの関係を保っているのだ。
そのためか本人も特に嫌な顔はしなかった。
そう話してあげると、平野君も最初はどぎまぎしていたものの、慣れてきたのだろう。私の手伝いや出陣の時は大倶利伽羅を補佐する感じで彼なりの私の言う持ちつ持たれつをしていた。
大倶利伽羅も平野君事態がどちらかと言えば大人しめで、指示する範囲で自分の邪魔をしない程度に戦っているため、特に文句を言わなかった。
平野君も危ないと思ったときに大倶利伽羅に何度か助けてもらったことがあったために、彼がいい人だとわかっているみたいで希に大倶利伽羅と話している(大倶利伽羅は黙って聞いている)姿を見ると少し安心した。どうやらなんとか仲良くやっているようだ…
そんな少し経って、二人だけではやはり心配で、また鍛刀をすることに…
脇差し辺りと同じく打刀を狙いつつ、計二本を作ることに
時間を見ると４０分と１時間３０分
二人がその間に帰ってきたので、お出迎えを忘れずに二人の前に顔を出す。
すると、彼等はそれぞれ刀を持っていた。
どうやら途中で拾ってきたらしい。
二人にお礼を言ってから、刀に触れる。
いつ見ても桜の花びらの後に現れる刀剣男士はつい見惚れてしまう。
出てきたのが五虎退君と今剣君。
どちらも短刀で、性格は言うと片方はおろおろしており、もう片方は私が主だと解るや否や飛び付いてくる位元気で明るい子だった。
大倶利伽羅はと言うと、溜息を吐きつつ、未だに私に抱きついて居る今剣君を引き剥がすと、私に簡潔に報告をし、平野と共に五虎退君、今剣君を連れていく。
どうやら二人にこの本丸のことを教えてくれるみたいだった。
後ろ姿に背の高い彼に群がる子供達(短刀達)を見てからの私の一言
『親子みたい…大倶利伽羅さんって群がるの嫌ってわりには面倒見は良いよね』
聞こえていただろう。嫌そうに私の顔を見たそんな彼を見てまた微笑む私だった。
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作者名：セローナ | 作成日時：2017年3月8日 0時
