【イナGO】Survival (ページ5)

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５survival ページ5

～円堂サイド～

稲妻王国の国王である雷門総一郎は、今重い病を抱えていた。

医者もさじを投げてしまったほどだ。もう彼は助からないだろう。

せっかく、稲妻王国が発展したというのに……気の毒だな。

総一郎「円堂くん……」

円堂「！！はい、なんでしょう」

ベッドに力なく横たわる王は、震える人差し指を俺に向けてこう言った。

総一郎「もうすぐ雷門イレブンが来るのだろう？君が彼らに伝えるのだ……」

円堂「なにを……です？」

総一郎「私には子供がいない。娘が一人いたが、どこかへいなくなってしまった。つまり、後継者がいないのだ。

そこで……『英雄』たる雷門イレブンの中から一人、次期王を選ぶことにすると」

円堂「そうですか……。では、誰を後継者に？」

総一郎「候補者たちに……任せる」

その言葉を最後に、王は力尽きてしまった。……臨終。

それにしても、雷門イレブンの中から次の王を選ぶなんて……。

とりあえず、彼らに伝えておかなければ。

だけど

……嫌な予感しかしない。

「高官！雷門イレブンがいらっしゃいました！」

円堂「ああ……」

重い足取りで謁見の間に向かう。

中には、すでに玉座の前で跪いている雷門イレブンのメンバーたちがいた。

総一郎国王が来るのを待っているのだろう。……だけど。

円堂「よく来た、お前たち。

いきなりだが、大事な話がある」

俺がそう切り出すと、みんなは不思議そうな顔をした。

円堂「つい先ほど……王がお亡くなりになった」

全員「「え！？」」

当然驚くだろう。

そして。

円堂「その際、王は遺言を遺していかれた。その内容は……

お前たちを次の王にすると」

浜野「え……ちゅーか、俺たちが王になれるの！？」

天馬「す、すごい！！」

おっと、語弊があったようだ。

訂正しないと。

円堂「すまないな、『お前たち』じゃない。

お前たちの中の『一人』だ」

南沢「一人だけだと……？で、誰が？」

円堂「それを決めるのも、お前たちだ」

全員「「はあ！？」」

俺は最後に、念を押して指を一本立てながら告げた。

円堂「王になれるのは『たった一人』。

くれぐれも忘れるなよ。早いうちに、誰がなるのか決めてくれ」

多分、神童辺りが選ばれるだろう。多数決とかで。

・

・

………まさか、あんなことになるなんて、想像すらできなかった。