拾漆ノ型 ページ19
ーー守るーーと言ったのは、私
ーー約束だよーーと言ったのも、私
結局、何一つとして
自分の大切を 守る事など出来なかった
嘲笑うなら嘲笑ってくれた方がいい
怒鳴るなら怒鳴ってくれ
憎むなら死ぬまで憎んでいてほしい
私の�犁喚瓩鮠辰靴討�れるのなら
何だってしていい
だけど……失ったものは戻らない
後悔は、成功へと変える事はできない
染まってしまった手は どんなに水で洗い流しても元には戻らない
母さんの優しい笑顔とあったかい手が好き
父さんの心地いい声と頭を撫でてくれるのが好き
炭治郎の明るい笑顔と私の手伝いをしようとする優しさが好き
禰豆子の可愛らしい笑い声と私を真似しようと一生懸命なところが好き
まだ見た事のない弟妹達の笑顔が見たい
全て、赤に染めたのは 私のせいだ
返してッ！
戻してっ！
奪うなら私だけを奪ってよ！
何で何で何で！
どうして家族なの⁉
どうして私じゃないの⁉
私がもっと早く助けに行ってれば！
私が！私が！私が！
どれだけ何かを責めても
どれだけ自分を傷つけても
『未来はいつか今日に変わる、過去はいつか未来に変わる』
意味の解らない声だけが
頭の中を駆け巡る
誰かがよく言っていた、道は沢山あると
けれど、それは誤魔化し
道はいつも一つしかない
壁はいつも自らが生み出した答えだった
わかれ道はいつも己の迷いだった
悩みはいつも他人から見た自分だった
ごめんね、守れなくてごめんね
やりきれない謝罪は
誰かに届く事はなかった
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貴「ふーッ、今度、家に帰ってみようかなぁ」
花街で下働きをし始めて 二週間
私は京極屋で働かせて貰っている
やっている事は 花魁達の身の回りの掃除や荷物運び
そして分かった事が一つ
ここにいる蕨姫花魁は
ーーー上弦の鬼ーーー
だということ
今まで見てきた普通の鬼とは違う
はるかに威圧感のある気配
私は自分の敵意と殺意を隠すのが得意なため
未だに目をつけられてはいないけど……
多くの美しい花魁達が 足抜けをしたりいなくなったりしている
それはつまり、彼女が関係していると
私は思う
蕨姫花魁は 周りにきつくあたる
自分の傍についている禿の子達にも叩いたり怒鳴ったり引張いたり、、
お館様には接触するなと言われているけど…
さすがにキレそうだった
もちろん、私がだけど……
私は自室に戻った
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みお(プロフ) - 鱗滝さんの字が違ってますよ！ (2019年10月4日 2時) (
レス) id: e5923a196b (このIDを非表示/違反報告)
イナビカリ(プロフ) - あいうえおさん、ご指摘ありがとうございます！返信遅くなりすいません(T ^ T) (2019年9月14日 0時) (レス) id: b6281ca595 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 「鱗滝」ですよ。 (2019年8月21日 17時) (レス) id: d4ea0d195c (このIDを非表示/違反報告)
イナビカリ(プロフ) - あやさん、コメントありがとうございます！更新が遅くなるかも知れませんがこれからも宜しくお願いします！ (2019年7月25日 22時) (レス) id: 757b33d380 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - めっちゃ最高に面白いです！！！応援してます！！！ (2019年7月21日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イナビカリ | 作成日時：2019年4月24日 0時
