過去編5 ページ23
Aside
貴『ほらっ…私がいらないんだよ、お兄ちゃんは。そうでしょ? 大丈夫だよ…私。』
ーーギュッーー
お兄ちゃんが私を抱きしめた。
強く強く抱きしめてくれた…。
ーーつぅ…ーー
頬をつたう涙。
私、泣いてないよ?
この涙は一体誰の?
抱きしめられた状態で、私はお兄ちゃんを見る。
あぁ お兄ちゃんが泣いている。
涙の正体が分かった…。
貴『…何で、泣いてるの?お兄ちゃん。』
兄『ごめんっごめんね? 気づいてやれなくて、本当にごめん。 苦しかったよね?悲しかったよね?…ごめんっ。でも、信じて!俺は、Aのそばにずっといるよっ!』
お兄ちゃんの声は優しくて、
貴『うっうぅ…うわぁぁぁぁんっ!寂しいよぅ 悲しいよぅっ…苦しい、うぅっ 1人はっ1人は嫌だぁっ! お兄ちゃんと一緒じゃなきゃっ嫌だぁぁっうわぁぁぁぁんっ……。』
今まで胸につかえていたものが 一気に溢れ出した。
1人は嫌で、でもお兄ちゃんじゃないと嫌で…。
兄『ごめんなっずっといるよ、、俺がいるよっ! 負けたくなかったんだ…自分の力に、自分に。だからっ 憎かったけど、恨めしかった、けど 仲良くしようって 力に飲み込まれないように…。』
貴『私だって、好きで殺めたわけじゃ、ないっ!でも、許せなくて のうのうと明るく楽しそうに生きてる皆をみた、らぁっ 自分が惨めに見えてっヒック、ぅっ……。』
兄『A…。俺達は2人で【最強】なんだっ! 2人じゃないと ただの鬼と龍になっちゃう…。俺達はずっと支えあってきた、兄妹なんだから…。分かったっ?』
貴『うんっ!変なこと言って、、ごめんなさい…。』
そうして、私達は二度と離れないように 手を繋ぎながら 寝床に帰っていった…。
その頃は、まだ知らなかった…。
繋いだその手が
再び離れる事を……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜作者〜
一応、過去編はここまでです。
実は、私も三人兄弟の末っ子でして…。
下の子の心境しかよくわからないので、
お兄ちゃんの心境はかなり難しかったです……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
22人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イナビカリ(プロフ) - 坂本雪奈さん ご指摘ありがとうございます! (2018年12月5日 20時) (レス) id: fb4eedb2d0 (このIDを非表示/違反報告)
坂本雪奈(プロフ) - 設定にのところで銀魂と同じ師となってます! (2018年12月5日 7時) (レス) id: 0d84f3c92e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:イナビカリ | 作成日時:2018年2月22日 1時