��-23 ページ23
・
だったら、こっちの患者さんはどうなる！
もちろん僕がいたところで何の役にも立たない。
それに高階先生や垣谷先生だって、理屈では分かっていても“分かる”と“出来る”は全く違う。
渡海先生がいなくなったら……
渡海先生の指示に、誰も声を発することができない。
ピッ、ピッ…と規則正しい心電図の音だけが響いている。
この中に医者はいないのか、と呆れた様子の渡海先生。
渡海「ああ？この中にお医者様はいませんかぁ！」
その言葉に目を見開く高階先生。
そして僕自身もハッとさせられる。
しばらくして、決意した様子の高階先生は渡海先生からスナイプを慎重に受け取る。
渡海「おい世良、行くぞ。」
「はい！」
例え研修医と呼ばれていても、僕は医者だ。
僕は僕なりに、患者さんを救うために出来ることをやろう。
第2オペ室に入ると、関川先生がどうして左開胸なのかと声を荒げていた。
渡海「邪魔。」
すでにA先生によって麻酔が導入されており、すぐにでも手術が出来る状態まで整っている。
ただ、左開胸ができるようドレープがかかっている。
世良「えっ…、左開胸？」
困惑する僕と関川先生をよそに、渡海先生は何も言うことなくガウンを受け取る。
渡海「じゃあ、破裂した冠動脈瘤からいくよ。」
通常は正中開胸、胸の真ん中から開けるのがセオリーなのに…
なぜ、わざわざ難しい左から……
謎は残るままではあるが、渡海先生のことだから何か考えがあってのことなんだろう。
そうこうしているうちに、第1オペ室と中継が繋がる。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1495人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (2022年5月16日 9時) (
レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
ユダ - 凄く面白いです！続きが凄く気になります…更新楽しみにしてます！ P.S.ブラックペアン凄い面白かったですよね！ (2020年1月29日 2時) (レス) id: 03bfdf54f9 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 移行おめでとうございます！渡海との同期や後輩、数少ないですが恋人設定などの話しがある中、麻酔科医と言う特殊な人と絡んで行く話しは面白くて一気に読んじゃいましたｗ次回の更新を楽しみにしてます(*´ω｀*) (2018年5月15日 3時) (レス) id: 8ae73065e1 (このIDを非表示/違反報告)
Sister(プロフ) - 続編おめでとうございます。さくらさんの書く小説、すごく面白くて続きがとっても気になります。執筆応援してます！ (2018年5月14日 4時) (レス) id: 12ad576ca6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくら | 作成日時：2018年5月8日 18時
