35 ページ35
「カリム…消毒は」
ｶﾘﾑ「今日はちゃんとしてきたんだ！ほら！」
カリムは僕の顔に掌を近づけた。匂いを嗅げば…確かに消毒のあの独特な匂いがした。嘘はついていないようだ
母「あらあら、だぁれ？お友達？」
ｶﾘﾑ「ん？って、あー！！王「ｺﾞﾎﾝｯ」あっと…すまない」
「母様、父様、覚えていらっしゃいますか？アジーム家を」
母「アジーム家…？」
父「アジーム家かー…随分前に開かれたパーティーに出席していたな。確かそこで、Aは仲のいい友達が出来たって喜んでたな」
「っ///え、えっと、そのアジーム家の長男が今僕の隣に居るカリム･アルアジームです」
父様が言っていることに間違いはない。僕はそのパーティーでカリムと友達になった。だが、今その話を本人の前でして欲しくなかったな、だって恥ずかしいだろ？
母「まあ！そうだったのね。Aの母です！」
父「Aの父です」
母「いつもAと仲良くしてくれてありがとう！ほらA。カリム君と行ってらっしゃい！」
「で、でも…母様と父様は」
父「俺らのことは気にしなくていいさ。さ、行っておいで」
あぁ、僕はなんて素晴らしい両親を持ったのだろうか。自慢出来る程、僕は両親が大好きだ。
「…じゃあ、行ってきます」
「「行ってらっしゃい！」」
ｶﾘﾑ「なんか、オレ来ない方が良かったか？」
気にしているのだろうか。カリムらしいな
「いや、父様と母様にカリムのことを紹介できたし…それに、二人とも喜んでいたからな。良かったよ」
ｶﾘﾑ「そ、そうか！！」
カリムが友達で良かったなんて何度も思ったことがある。イデア先輩によれば、カリムは光属性…とは言っていたが、僕はその光属性の意味がわからない。
カリムは良い奴。それに、ジャミルも良い奴だ。
この二人は信用出来る
ｼﾞｬﾐﾙ「おい！カリム！！…って、A！？」
「ああ、Aだが」
ｶﾘﾑ「そんなに慌ててどうしたんだ？ジャミル」
随分急いできたようだ。息が切れており、肩で呼吸をしている
ｼﾞｬﾐﾙ「お前がいきなり居なくなるから探しに来たんだ！全く、なんでお前は毎回…」
「落ち着け、ジャミル。カリムはジャミルに迷惑をかけるなよ。僕と出店見に行く暇なんてないんじゃないか？」
ｶﾘﾑ「えー！！」
カリムがシュンとした。その姿が小さい頃育てていた子犬に似ていて、少し懐かしいなと思ったのは内緒だからな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 235人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星ノ宮 x他1人 | 作成日時：2020年10月18日 13時
