8烏の一声 ページ8
その後監督生は出来る限り沢山の生徒と交流をした。
スカラビアに遊びに行ってカリム・アルアジームと絨毯で空の旅を楽しんだり
ポムフィオーレに行ってヴィル・シェーンハイトに美容指導を受けたり
イグニハイドの寮長イデア・シュラウドとチャットをしたり
最後にはたまたま来ていたツノ太郎とお喋りをした。
そして、最後は
「グリム。」
「何だゾ?」
「明日も頑張ってね。」
「?」
監督生はベッドの中でグリムの頭を撫でると優しく微笑む。
グリムは何か形容しがたいモヤモヤに駆られる。
監督生はグリムを撫でながら眠りに落ちた。明日は早起きだからだ。
翌朝、グリムが目を覚めると監督生に姿は無く、隣で眠っていたという温もりすら残ってなかった。
「…子分?A?どこ行ったんだゾ?」
グリムはきっと教室に行けば会えるはずだと、胸に言い聞かせてオンボロ寮から飛び出した。
その日は騒然としていた。
グリムは必死に監督生を探すがどこにもいない。
エースとデュースもグリムの様子を見てただ事では無いと感じ取ったのか、始業の鐘が鳴るギリギリまで走り回った。
途中、ハーツラビュル寮長のリドル・ローズハートに廊下を走っていることを咎められそうになったが、事情を説明すると彼もまた顔色を変えて捜索を始めた。
それからは大変だ。
多くの生徒が『そんなはずはない』と言い聞かせながらただ1人、監督生を見つけようと探し回る。しかし、無情にも始業の鐘が鳴った。
エースは思う。
_この教室のドアを開いたらAがいて
『汗だくじゃん〜何私抜きで楽しそうな事してんの?』
って笑うんだ。そしてら、いっぱい文句言って…
デュースは思う。
_きっとこのドアの向こうにAはいるはずだ。
『遅刻ギリギリじゃ〜ん。どうしたよ優等生。』
って自分を茶化すはずだと。
グリムは思う。
_いるって信じたかったけど…Aの匂いがしないんだゾ。
クルーウェルが教室に到着して監督生の不在を確認して、怪訝そうな表情をした。
一瞬だけだが、確かに表情を歪めたのだ。
しかし、その後は何事も無く授業を開始した。
監督生がいないのに、何も変わってなどいないように1日が流れていった。
そして、放課後。
緊急集会が【鏡の間】で行われた。
そして、学園長クロウリーが出てきて『きっと大丈夫だ』と思っていた彼らの希望を粉々に打ち砕いた。
「監督生さんが突然元の世界へ帰ってしまいました。」
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檸檬 - あ、あのぉ。ぞ、続編ってどうしたら見れますかねぇ.....?芋けんぴ様さえよければパスワードを教えてもらいたいのですが... (11月4日 21時) (レス) @page42 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 初めまして!とても楽しく読ませて頂きました、素敵な作品をありがとうございます! 続編?も読みたいのですが…公開はする予定はありますか?とても気になります… (2023年2月2日 8時) (レス) @page42 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 美南さん» 美南様、コメントおよびご指摘ありがとうございます。文字数の都合上、「この世の終わり」と表現させていただきました!!そうですね…皆様の涙腺を破壊してしまったみたいで…反省してます…。ティッシュ贈呈でどうでしょう?笑 (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - まあゆひやさん» まあゆひや様、コメントありがとうございます!お返事遅くなってしまい申し訳ありませんでした…。独白、読んでくださりありがとうございました! (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - R−アル−さん» のりまーす!!のりますよ?? (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2021年3月3日 0時