６嘘は言ってない ページ6
『貴方の顔が見れて良かった。』
監督生のこの言葉に嘘は無かった。監督生はレオナの美顔が好きだったからだ。
しかし、そんなこと知らないレオナは怪訝そうな顔でその背中を眺める。
＿あのクソ烏の匂い。
そんな監督生から先生たちの匂いがすることにレオナは表情を硬くする。
「っち。まさか…な。」
嫌な予感を振り払うように欠伸をすると、夢の世界へ現実逃避の旅に出た。
「デュース、お待たせ。」
「ありがとう。」
監督生はデュースに籠を渡すとブルーベリーの収穫に取り掛かり、籠いっぱいにブルーベリーを収穫すると、監督生達は植物園を後にした。
【調理室】
「クローバー先輩戻りました。」
「沢山取ってきてやったんだゾ！」
「あ、あぁ。A、デュース、グリムありがとな。」
監督生たちが調理室に戻ると、その空気は重たかった。
それを察した監督生は心の中でニヤリと笑う。
「どうしたんですか？暗い表情をして…。」
監督生がトレイとエースに問いかける。
確信犯だ。
「…なぁ、A。」
トレイが心配そうな表情で監督生の表情を見る。
監督生は心底何を問われるのかわからないといった表情を張り付けた。
「…いや、何でも無い。早速取り掛かろうか。」
「はい。お手伝いしますよ。」
トレイは結局何も聞かずにブルーベリータルト作りに取り掛かった。
その後は美味しくタルトをいただき、解散の流れに。
オンボロ寮の前まで送ってくれたマブダチ２人を監督生はチラリと見る。
＿エースとデュースは悲しんでくれるよね？てか悲しめ。信じてるぞ。マブ。
今の監督生にとって一番恐ろしいことは、明日のドッキリで何事も無く集会が終わり反応が見られないことだ。
他のメンバーはどうであれ、この２人とグリムだけでも反応が見られることを願って少女は歩く。
「送ってくれてありがとう。エース、デュース。」
「あ、おう…。」
「気にしないで良いぞ。A。」
デュースはいつも通りだが、エースは煮え切らない返事をする。
いつもなら文句を言っていた監督生だったが、今回ばかりはその反応を喜んだ。ドッキリをしたら可哀そう？そんな慈悲はこの監督生には無かった。なんせ愉快犯だ。
「なぁ、A。」
「どうしたの？エース。」
「明日も会えるよな？」
エースの質問に監督生は目を見開く。
そして、少し儚げな表情を作り、こう言った。
「勿論。明日も明後日も、会えるよ。」
明日の放課後には会えるのだから嘘は言っていない。嘘は。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1099人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
檸檬 - あ、あのぉ。ぞ、続編ってどうしたら見れますかねぇ.....?芋けんぴ様さえよければパスワードを教えてもらいたいのですが... (11月4日 21時) (
レス) @page42 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 初めまして！とても楽しく読ませて頂きました、素敵な作品をありがとうございます！ 続編？も読みたいのですが…公開はする予定はありますか？とても気になります… (2023年2月2日 8時) (レス) @page42 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 美南さん» 美南様、コメントおよびご指摘ありがとうございます。文字数の都合上、「この世の終わり」と表現させていただきました！！そうですね…皆様の涙腺を破壊してしまったみたいで…反省してます…。ティッシュ贈呈でどうでしょう？笑 (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - まあゆひやさん» まあゆひや様、コメントありがとうございます！お返事遅くなってしまい申し訳ありませんでした…。独白、読んでくださりありがとうございました！ (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - Ｒ−アル−さん» のりまーす！！のりますよ？？ (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：芋けんぴ | 作成日時：2021年3月3日 0時
