＊デュース・スペードの独白 ページ29
頭が真っ白になった。
何も考えられなくなった。
だって、だって…
「どういうことだよ！！」
「そんなんオレが知りたいよ！！」
僕は思わず近くにいたエースに八つ当たりする形で聞いてしまった。
エースは僕に負けず叫んでいた。
足元ではグリムが泣いている。
…不細工だぞ。
なぁ、A。
何で黙って帰ったんだ？
俺ら…マブダチだよな？
『マブダチ番号１番！A行きます！デュースの良い所！！』
『は？』
VDCの練習中、エースと初めてガチな喧嘩をしてしまった。
エースはいつも通りなだけだ。
急にキレて出て行った僕の逆ギレだった。
ポムフィオーレ寮の裏庭で丸まっていた僕の隣に最初に来たのは、星のサングラスをキメたAで、最初に言った言葉があれだった。
『真面目な所！真っすぐな所！お馬鹿な所！一生懸命な所！不器用な所！』
『…何なんだ？』
『顔が良い所！脳筋な所！お母さん思いな所！優等生になろうとしてなりきれていない所！』
『おい！』
あまりにも意味がわからないから、怒鳴って止めてしまった。
＿あぁ、俺はやっぱりあの頃から…
そう思って下を向いたとき、
『下を向かない。上を向けないならせめて前を向いて。』
お前はそう言ったな。
『私は今回の喧嘩でデュースの味方だよ…なんてことは言えない。エースも大好きだから。でもさ、デュースに落ち込んでほしくないよ。』
その声はまっすぐで。その目は俺だけを見ていて…涙が出てきた。
『無理に変わる必要なんて無いよ。１つもない。そのままのデュースが一番強くて輝いているから。』
嬉しかったんだ。
真っすぐに見てくれる人が母以外にいたことが。
どうしようもなく。呆れるほどに。
嬉しくて堪らなかったんだ。
お前は異世界から来て、１人ボッチなのにあんなにも優しくて温かくて。
どうしようもなく好きだったんだ。
１人の友として。
なぁ、嘘だろ？
ドッキリだろ？
そうじゃなきゃ…僕は、俺は！！
「まだ、お前にありがとうも言えていないのに…。」
俺だってお前の好きな所が沢山あったんだ。
下で泣き続けているグリムを抱き上げる。
Aがやっていたように、優しく包み込むように、落とさないように。
そして、エースにもたれかかった。
多分タイミングはほぼ同時だ。
「なぁ、デュース、グリム。」
「何だエース。」
「アイツ、良いヤツだったよな。」
「あぁ。」「ぶなぁ〜。」
帰って来てくれ。
僕はもう一度お前と笑い合いたい。
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檸檬 - あ、あのぉ。ぞ、続編ってどうしたら見れますかねぇ.....?芋けんぴ様さえよければパスワードを教えてもらいたいのですが... (11月4日 21時) (
レス) @page42 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 初めまして！とても楽しく読ませて頂きました、素敵な作品をありがとうございます！ 続編？も読みたいのですが…公開はする予定はありますか？とても気になります… (2023年2月2日 8時) (レス) @page42 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 美南さん» 美南様、コメントおよびご指摘ありがとうございます。文字数の都合上、「この世の終わり」と表現させていただきました！！そうですね…皆様の涙腺を破壊してしまったみたいで…反省してます…。ティッシュ贈呈でどうでしょう？笑 (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - まあゆひやさん» まあゆひや様、コメントありがとうございます！お返事遅くなってしまい申し訳ありませんでした…。独白、読んでくださりありがとうございました！ (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - Ｒ−アル−さん» のりまーす！！のりますよ？？ (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芋けんぴ | 作成日時：2021年3月3日 0時
