*イデア・シュラウドの独白 ページ23
「はぁ…!はぁ…!」
え、僕何してんの?
どーせくだらない話だろうと、僕は鏡の間に行かなかった。
オルトと、タブレットだけでの参加。
別に珍しい事じゃないし、お咎めも無いだろうと思ってたのにさ…
何で僕走ってるの?
学園長からの言葉を聞いた瞬間、僕は何故か鏡の間を目指して走ってる。
_今さら僕が走ったところで何が変わる?
_走ったからって君に会えるわけじゃ無いのに。
_何で僕こんなに全力で走ってるの?
___馬鹿じゃないの。僕。
でも、足が止まらないんだ。
腕が止まらないんだ。
体力が無いから、もう限界。
普段なら一歩も歩けないほどに。
なのに止まらないんだ。
もう息も切れて、喉が痛い。
焼かれたように暑くて、呼吸をするので精一杯。
心臓も、呆れるほどに存在感を示す。
もはや、僕自身が心臓なのでは?
そう思うほどに鼓動が身体中に響く。
手足も限界。
もう筋肉の繊維は恐らくブチブチに切れてる。
痛くて痛くてたまらない。
でも、止まらないんだ。
バグったんだ。
だって、信じたくないから。
君が居なくなったって。
そんな喪失感に駆られたくないから。
『イデア先輩って、夜に見ると神秘的っすね〜。』
がけものオタ芸を深夜にやっていたら、あろうことか学園中で噂されている監督生氏にエンカウントしてしまった。
あの時の僕は素直に
_あ、死にましたわ。乙。
と顔の表情筋が一気に仕事をやめた。
チベスナ顔だ。
でも、そんな君から出た言葉は驚くべきものだった。
だって、そうでしょ。
僕、この髪の毛嫌いですし。お寿司。
べ、別に?嬉しくなかったし。
それから、君は僕を見つけるたびに、
『お、レアキャラ発見!』
って近づいてくるから、僕もだんだん心をこじ開けられていって…
僕、君の事嫌いじゃなかったのに。
異世界人に僕の何がわかるって言いたい日もあった。
でも、多分異世界人だからくれた言葉なんだ。
何も知らないから、くれた言葉だったんだ。
そんな君はいつも温かかった。
眩しかったけど、嫌じゃなかった。
黙っていなくなるなんて、ルール違反では?
拙者、こんなに走ってるのレアなのだが?
『お!レアな現場だ〜!』
って、そんな声が脳に響く。
その度に止まりそうになる足を必死に前に動かす。
だって、まだ認めたくないから。
諦めたくないから。
知ってるだろ?
拙者、無理ゲーになればなるほど燃えるタイプだから。
いつかの君を求めて。
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檸檬 - あ、あのぉ。ぞ、続編ってどうしたら見れますかねぇ.....?芋けんぴ様さえよければパスワードを教えてもらいたいのですが... (11月4日 21時) (レス) @page42 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 初めまして!とても楽しく読ませて頂きました、素敵な作品をありがとうございます! 続編?も読みたいのですが…公開はする予定はありますか?とても気になります… (2023年2月2日 8時) (レス) @page42 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 美南さん» 美南様、コメントおよびご指摘ありがとうございます。文字数の都合上、「この世の終わり」と表現させていただきました!!そうですね…皆様の涙腺を破壊してしまったみたいで…反省してます…。ティッシュ贈呈でどうでしょう?笑 (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - まあゆひやさん» まあゆひや様、コメントありがとうございます!お返事遅くなってしまい申し訳ありませんでした…。独白、読んでくださりありがとうございました! (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - R−アル−さん» のりまーす!!のりますよ?? (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2021年3月3日 0時