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水色の学園祭(3) ページ28

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まる「あれ?Aちゃん?最近ずいぶんとご機嫌だね」


「なんでもないです!」


仁兎くんと約束をしてからというもの、しっかりと睡眠時間を取るためにいかに早くノルマを達成できるかを研究しまくってサークルの時間内にきっちりとノルマを終えてプラスアルファの分にまで手をつけられるようになった。


それにより睡眠不足も解消され、体がずいぶん軽くなった。


…というのもあるけど、もっと別の理由がある。


これも仁兎くんのおかげ。


あの日、起きたばかりであまり回転していない頭でポロリと零れ落ちた言葉。


『一緒に学園祭まわりたい』


今思うとなんで私はこんなにも大胆なことが言えたのか不思議でしょうがないけど、結果オーライ。


『いいよ。オレも言おうと思ってたんら!』


相変わらず舌ったらずだけれど、満点合格をあげてしまいたいくらいお手本のような私を喜ばせるセリフをプレゼントしてくれた。


もちろんここで進展しようなんて発想は一ミリもない。


けれど、一緒に仁兎くんと学園祭がまわれる。その事実だけで十分だった。


こころなしかこの羊毛フェルトの作品も上手になってきた気がするし、定食屋のバイトの方も給料を上げてくれた上に店長夫婦とも常連さんとも仲良くなれた気がするし、いいことづくめだ。


浮かれすぎてまたちーちゃんに即刻バレたし、冒頭でまるちゃん先輩にも勘付かれてる。


ちーちゃんには休みの日に買い物行くよって有無を言わさず決められた。


ちーちゃんとの買い物は楽しいから好きだけど。


「はやく学園祭の日にならないかなぁ。」


まる「あ、Aちゃんさ、好きな人とまわるんでしょ!」


「え?」


先輩にもばれてた…?


まる「学園祭の日にならないかなあって言いながら最近すごくご機嫌だったからだれか好きな人と一緒にまわる約束でもしたのかなあって思って!」


「え…っと…今の…口に出てました?」


まる「うん。ばっちりね。」


「やってまった…」


使ったことの方言をつぶやいてしまうくらいには動揺してた。


『あら?私はもっと前からわかってたわよ?』


『Aちゃんわかりやすいもんねぇ』


『顔に全部書いてあるもん』


近くで私とまるちゃん先輩との会話を盗み聞きしていた他の先輩たちが口々にカミングアウトしてくる。


「え、えぇ〜〜〜〜〜〜!!!」


ちーちゃんにわかりやすいって言われてたけど、ここまでとは…









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作者名:小野屋 | 作成日時:2020年5月28日 17時

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