人間洗浄機９

日常324　改心させるまでが復讐です ページ28

結論から言うと、Fring Posseのライブはかなり盛り上がった。
乱数、幻太郎、帝統はライブが終わると満足そうな表情で控室に戻ってきた。

「「「ご迷惑をおかけするだけでなく、怖い思いをさせてしまい申し訳ございませんでした！！！」」」

「わぁ〜」
「おやおや。」
「何だこりゃ。」

ポッセの３人が控室に戻るや否や、SPACE COLONYの３人は土下座の勢いで謝罪をした。
その後ろで少女がニッコリ笑ってスマホをいじると

＿＿ピロン

乱数のスマホが鳴る。
画面を見て見ると、

「あはっ！A最っ高！」

送られて来たのは華麗なる土下座を披露しているSPACE COLONYの３人の姿を映した写真だった。
乱数はそれを見て楽し気に笑う。

「乱数、これで落とし前は良いかな？」
「うん！僕、もう大まんぞーく！」

少女と乱数は先ほどまでの笑顔が嘘だったかのように、自然な表情で会話を始めた。
それが逆に気味悪い。

「じゃあ、今回は警察に通報とかはしてませんので気をつけて帰ってください。あ、勿論。次は無いですからね。」

少女は最後にそう言うと、３人を解放する。
SPACE COLONYの３人は
「「「姉御！ありがとうございました！」」」
と少女に綺麗なお辞儀を見せると、MAHOUJINから逃げるように出て行った。

＿＿＿後日、＜シブヤの幽霊＞のおかげで経営が苦しくなったライブハウスに
『これをお納めください。S.C.』
というメッセージと共に謎のお金が届き、＜シブヤの傘子地蔵＞が都市伝説になったのは別の話だ。


「Aさん、彼らに何を？」

幻太郎は怖いもの見たさで少女に問いかける。
帝統は
＿何てこと聞いてんだ！幻太郎のアホ！
と心の底から思い、さり気なく２人から距離を置いた。

「あぁ、ブラジリアンワックスで脛を綺麗に脱毛して、すこ〜し説教しただけですよ。」
「流石ですね…。」
「だよね！A、ほんとセンスある〜。」

幻太郎は、是非次の新作の主人公に取り入れたいと、＜鬼畜主人公＞の性格を脳内で作り始めた。

「そんなことより！」

少女が突然声を上げる。
ポッセの３人は何事かと少女をキョトンと見つめた。

「今日はお疲れさまでした。とってもかっこ良かったですよ。といっても、新曲しか見られませんでしたが。」

少女は笑顔でそう言った。
さっきまでの悪魔っぷりはあんなに恐ろしかったのに、急に年相応の女の子になるからこの少女は不思議だ。
３人は顔を見合わせて、

「「「ありがとう(ございます)！」」」

と笑顔を向けた。

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