人間洗浄機９

日常308　気合を入れて行きましょう ページ2

さてさて、黒也の依頼を承諾することにしたFring Posse。
これからやること盛沢山の大忙しだ。

「幻太郎、帝統、A。これから忙しくなるよ〜。」

「えぇ、そうですね。」
「おうよ！」
「ふふ、楽しくなりそう。」

乱数は一番渋っていた割には、やると決めたからには徹底的にやるようだ。
そこが乱数の魅力だ。

「ところで乱数。私は何をすれば良いかな？」

少女は乱数を見て問いかける。
すると、もうすでに少女の役割は決まっているようで、乱数はニッコリ笑う。

「Aには、僕たちのマネージャーになってもらうよ〜！」

「成程。了解！」

少女の今回の役割はマネージャーらしい。
仕事が決まり、少女にも気合が入る。

「今日はもう遅いから、明日作戦会議だ！」

ライブ本番は４日後の10月31日、ハロウィン当日だ。
４人は円陣を組むと、

「じゃあじゃあ、頑張っちゃうよ〜！」
「「「おー！」」」

と、気合を入れた。



「ただいま〜。」

時刻は22時。
意外と早く萬屋ヤマダに帰れた少女は、明るいリビングに入ってきて目を輝かせる。

「お帰りなさい！」

お風呂上りであろうか。
タオルを肩にかけた三郎がお出迎えをしてくれた。

「うわ。…Aさん、どうしたんですか？」

「いやぁ、今日ね〜無性に君たちに会いたかったんだ。」

少女は三郎を見た瞬間に光の速さで近づくと、ぎゅぅっと抱き着く。
三郎は驚きながらも嬉しそうだ。
…可愛い奴め。

「…そうですか。」

「ん〜。」

そう言って少女は三郎の肩におでこをグリグリ擦り付けた。
すると、三郎の髪から雫が少女の首に落ちて、

「ひぎゃぁ！」
「うわぁ！」

少女が死にかけの鳥の様な声を上げる。
今日はいつもよりビビりな少女だ。
少女の声に三郎もビックリしていた。

「…もう。風邪ひいちゃうよ。」

少女はそう言うと手を伸ばして、肩のタオルで三郎の頭を優しく拭く。

「…ご、ごめんなさい。」

三郎はさっきの少女の悲鳴にまだビックリしていて、心臓がバクバク言っている。
…ここにラブコメは無かった。

「お、A帰って来たのか。」

「あ、二郎ただいまー。」

そこで通りかかった二郎が声をかける。
頭を拭かれているのを見られた三郎は恥ずかしそうに少女から離れた。

「…後は自分でちゃんと乾かすので。」

「そう？」

「はい。」

そう言って三郎は洗面所に走っていった。

「何だ？アイツ。」

「さぁ…。それより、二郎ー。」

「うっわ！抱き着くなよ！」

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