日常236 探偵ごっこ ページ24
「じゃあ、コイツが真犯人?」
独歩が期待の籠った目で画面を見つめる。
確かに、流れ的にはありそうだが…
「でも、何でコイツが独歩ちんを嵌めるんだ?」
「…さぁ?」
そう、この男が一二三を恨むならまだしも、独歩を恨む理由が無かったのだ。
そこが疑問に残る。
「何にしろ、彼が事情を知っている可能性が高いようです。」
「そうですね。…では名探偵寂雷先生、出発ですか?」
「ふふふ、えぇ。出発です。彼の行きそうな場所を当たってみましょう。」
そう言って寂雷は車のエンジンをつける。
「では、探偵助手のAさん、この場所へナビを頼んでもよろしいですか?」
「勿論です!」
少女は寂雷からスマホを受け取り、ナビを開始する。
この場所は…所謂非合法組織がいる場所なのでカーナビで出てこなかったのだ。
「ちょ、マジっすか!?コイツの出入りしている場所って…超やばい連中がいる所っすよ?俺たちだけならまだしも…」
一二三が身を乗り出して、寂雷に言う。
そして、ちらりと助手席の少女を心配そうに見た。
「成程。…実に興味深いですね。」
寂雷は、一二三の言葉を受けて心底楽しそうに言い放つ。
口元は驚くほど穏やかにニコリとしていて、逆にそれが恐ろしい。
少女は助手席から寂雷の表情を見て、くすりと笑う。
「心配ご無用ですよ、一二三さん。探偵には助手が付き物です。」
「勿論、助手を傷つけさせはしませんよ。」
「麻天狼が守ってくれるなんて、頼もしい限りです。」
少女も寂雷と話しながら楽しそうに笑う。
まるでこれから遊園地に行くかのような、ワクワクとした表情だ。
そんな様子の2人を見て、一二三は呆然とする。
「実は憧れてたんですよ。探偵ごっこ。」
少女は後ろを振り返り、悪戯に笑う。
_こんな頼もしい探偵達の助手だもの。怖いことなんて無いですよ。
そう言って微笑む少女に一二三は折れるしかなかった。
車が動き出す。
行先は決まった。
「さて、シンジュクの大掃除と参りましょう。」
寂雷はアクセルを踏み込んだ。
ネオンきらめく街、シンジュク。
勿論、そんな街の夜はこれからで、こんな時間でも人通りは多い。
_ねぇ、あれって。
_やばっ、一二三じゃん!
しかし、普段よりもその通りは賑わっていた。
と、言うよりは騒がしかった。
「…やっぱりあの2人は目立つな。」
麻天狼が街に突然現れたからだ。
寂雷と一二三がちやほやされる中、独歩は切実に願うのだった。
「今すぐ帰りたい。」
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きな粉もち - いもけんぴさん» ご返信ありがとうございます。楽しみに待っています! (2022年10月29日 18時) (レス) id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - きな粉もちさん» きな粉もち様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - くりゅさん» くりゅ様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - れんさん» れん様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - 人間洗浄機シリーズ、いつも楽しませていただいております!8以降のパスワードを教えていただけないでしょうか? (2022年10月26日 16時) (レス) @page47 id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2021年1月17日 19時