【平和組】社内恋愛 in SPRING

第28話 ページ29

・


『…面白かったですね…！』

そう言ってニコッと笑うAちゃん。

「…うん、あっという間やったな〜…」

…楽しい時間って本当に短く感じるから卑怯だ。

『…えぇと…駐車場ってどこでしたっけ…？』

映画館からは出て、チケットやお土産が売っているところをフラフラ歩いていた。

今すぐ帰る意味もなかったからAちゃんに着いて歩いていたけど…

フラフラ歩いていたのって、場所が分からなかっただけなのか…。

一生懸命探してるAちゃんには悪いけど、まだ帰りたくないな…なんて。

「…駐車場は向こうやけど…せっかく来たんやし、お土産でも見ていかへん？」

適当な理由でAちゃんを呼び止めた。

『…お土産、私も見たいです！』

意外にもノリノリなAちゃんは、目を輝かせている。

…そういう子供っぽいとこ、反則だよ…。

「…じゃあ、見に行こっか！」


・


『…レトさん、見て見て！』

呼ばれて振り返ると、今日みた映画に出てくる悪役の仮面。

「はははっ、Aちゃん似合ってるで！」

『…ちょっ、どういう意味ですか…！』

もう！なんて言いながら笑っているAちゃん。

ひとつひとつの行動が、可愛くて仕方がない。

…なんで今さら気付いたんだろう。

はじめのうちは恋愛感情なんてなかったからかな…？

キヨ君と仲良くなる前に俺が気付いてれば可能性はあったかも…。

さっきから後悔ばかりが頭を埋め尽くす。




だけど、

…まぁ、いいや。

二人きりで居られる今を大切にしないと。

…そう考えないと自分が保てなくなりそうだ。


・


『…今日は本当にありがとうございました！』

マンションの下まで送り、頭を下げるAちゃんに笑顔で手を振る。

「…また今度見に行こうな〜」

『はい、ぜひ！』

Aちゃんは最後に笑顔を見せると、エレベーターに向かって歩き出した。


華奢で小さな後ろ姿を見つめながら、俺は思った。


・


・


・


・


・


・


…この気持ちは、伝えるべきなのだろうか…。


・
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

こんばんは！作者です！

評価、お気に入りをしてくださった皆さんありがとうございます！
更新するごとにhit数が上がるので、すごく嬉しいです！

TAKOSも出すかも…とか言いながらまだ出してないんですが、そのうち4人がそろって出せる日が来るはず！いや、出します！

あと、TAKOS、最俺、平和組について語りましょう！気が向いたらコメお願いします！

・

第29話→←第27話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す