【王騎】12 ページ12
王騎がこの時代に来てから早いことに1ヶ月が過ぎた
王騎はこの世界に少しずつ慣れ、読めなかったひらがなやカタカナも読めるようになり、ほとんど現代の人と差異は無くなっていた
炊事洗濯なんかはどんどんレベルが上がり、いったいどこまでハイスペックな人なのかと驚きを隠せない
ナースステーションでカルテの整理をしていたAは一人の看護師に声をかけられた
「高杉先生、何か良いことでもありましたか?」
え?という顔をするAに、看護師は笑いながら言う
「ずっとニコニコしてますよ」
「え、そんな顔してた?」
「はい、ここ最近は仮眠室に寝泊まりする事も殆どなくて…良い人が出来たんじゃないかって噂ですよ?」
良い人
そう言われて思い浮かぶのは王騎
そんな気持ちで見ているのかもしれないと、少しだけ王騎への気持ちを認識したA
かと言ってそれを看護師や同僚に言えるわけもなく、Aは笑いながら違うよと言った
「大きな犬がね、待ってるから」
「へぇ!ワンちゃん飼い始めたんですね!それは確かにここで寝泊りなんて出来ませんよね!」
看護師は納得!と言うふうにうんうんと頷きながら仕事へと戻って行った
再びカルテに視線を落とすと、目の前にカルテの山がドンっと置かれ、ビクッとして視線を上げれば、そこには院内でNo. 1イケメンと言われる同僚の外科医師である瀬戸が居た
Aの知らないところではあるが、実はAとこの瀬戸は美男美女カップルだと噂されていた
何かとAにちょっかいをかける瀬戸と、それをかわすAのやりとりが、お似合いだともっぱらの噂なのだ
しかし、そうしてちょっかいをかけてくる瀬戸が、Aには苦手対象であった
「瀬戸…」
「犬ぅ?高杉が?おいおい大丈夫かよその犬。ちゃんとメシ貰ってんのかぁ?」
「しっしっ」
「あー?俺を犬扱いすんじゃねぇよ!」
「うるさい…仕事中なの、あっちいってくれる?」
「はっ!家に一人で帰るのが寂しいからここで寝泊りしてたんだろ?それで今度は犬買うってか、そんなに寂しいなら俺が一緒に寝てやろうか?」
瀬戸は無駄にイケメンな顔で笑う
それを遠巻きに見ていた看護師たちは目をハートにさせている
しかし、Aは違う
この人を小馬鹿にしたようなイヤラシイ笑いが大嫌いだった
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RUI(プロフ) - 凌さん» なかなか更新できず申し訳ありません!順次制作しようと思いますので、よろしくお願いします。( *´艸`) (2020年9月6日 11時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 李牧落ちありがとうございます。現代編も読んでみたいです。紫伯もお願いします。 (2020年9月6日 11時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 凌さん» コメント、リクエストありがとうございます!李牧さんも素敵ですよね!現代と過去どちらがお好きですか? (2020年8月13日 23時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 李牧落ちでリクエストしたいです。 (2020年8月13日 16時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - もちろんです!また、お邪魔させてもらいます!リアルに夢主ちゃんと同じ位身長があり、職業はお医者さんではないですけど笑。自分と重ねて読まさせてもらいました。疲れていても家で王騎将軍が待っていてくれたらいいのにと本気で思ってしまいました笑。応援してます! (2019年9月17日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RUI | 作成日時:2019年9月15日 23時