【銀魂】ただいま、愛くるしい人よ

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テーブルの上には緑の水溜りができ


武市は落ち着いて下さい、と俺をなだめた





『バカなこと吐かしてんじゃねェよ』




片方の手で胸ぐらを掴んでいるというのに


神威は余裕な表情を見せる





『ホントのことだけど？



……特に美味しいよね、彼女のだし巻き卵』




甘くてさ、とクスクス笑う




俺の脳内に、先程の弁当に入っていただし巻き卵の面影と


味が、蘇ってきた




どこかで食べるのとは違う、甘くふわりとした食感




それをコイツも、食べたと言うのか





『……この話は一旦白紙だ』




帰る、車を出せと


武市に言い捨てて部屋を出る




外にいた万斉が何があったと引き止めてきたが


それを押しのけてエレベーターに乗った




なかなか着かない事に苛立ちを感じ


浮かぶアイツの顔にも余計に湧く



Aにも、怒りが……



…………いや



湧いたのは、心憂い感情だ





裏切られたような、そんな痛みが



俺の胸を大きく深く刺していった

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