【銀魂】ただいま、愛くるしい人よ

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『あ、このＣＭの会社知ってるー』



はしゃぐ声の方を見れば


二人の高校生くらいの女の子が、ビルの外にあるテレビを見上げている




『有名だよね』



『そうそう


社長がかっこいいの』




どこの会社だろうか、と自分も見上げれば


それは晋助さんの会社のＣＭだった





『これ、この人』




どれどれ、と二人して携帯の画面を覗き込んで


かっこいい、と黄色い声をあげる





『確かさ、どっかの会社と繋がったよね』




確かね、ともう一人は相槌を返した





『そんでさ、そこの社長の娘と結婚したんでしょ？』




『そうなの？！


えー……めっちゃいいなあ』




こんなにかっこいい人と結婚なんて




『でもそれって政略結婚だから好きな人同士じゃないじゃん』



ヤじゃないの？





彼女たちの話しは胸が痛くなり逃げ出したくなるが


足がこの場から動かない






『私はかっこいいから良いかなー』




『単純すぎ』




あはは、と笑いあった二人は


何か食べよ、と私の横を通り過ぎて歩いていく







……何も知らないくせに






呟くように吐いた言葉は


彼女たちの耳には届かずに、夕闇へと消えていった

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