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Aside
「チシヤが見つかったんかと思ってめっちゃびっくりしてんで!ほんまに..」と言いながらクイナが少し怒る。
チシヤがクイナを宥めようと「ごめんごめん」と謝罪を言う。
「それにしても、Aまでトランプが隠されてた場所に気づいたん?」
「Aもほんまに敵に回したく無いわ」
と言いながら笑う。その姿に私も笑ってしまった。
「こいつともお別れだ」
とチシヤが腕についている番号札を外す。
色々なことがあったビーチだけどかなり此処で成長できた気もする。
アリスやうさぎもきっとここを抜け出していつか必ず絶対会えるだろうと確信していた。
アンにもタッタにも別れを言えずに少し寂しい気持ちがあったけど皆んななら必ず生き残れる。
私も腕にある番号札を、外して1番にビーチの小さな門の境目を通ろうとする。
「A!出るな!!」
そうチシヤの声が聞こえ、門ギリギリのところで体が止まった。チシヤがこんなに慌ただしく声を上げるなんて珍しい。
前を見ると何故か途轍もなく嫌な予感がして一歩後ろに下がった。
「まさか..」
私はそう言って手に持っていた番号札を前に投げた。
その瞬間にバチンッという音と共に赤いレーザーが番号札を貫いた。
クイナが門に近づいて目を凝らす。
そこには赤い参加張り巡らされていた。
後ろに振り返って上を見渡すと次々とビーチ全体を赤い線が囲む。
「まじか、これやばいよね」
私は2人にそう言うと2人も覚悟を決めたような様子だった。
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私たちは急いで館内に戻り、一番近い部屋に入った。
途端にチャイムのようなものが鳴った。
つかないはずのテレビが光を放っている。
「ホテルシーサイドパラダイス東京をご利用頂き、誠にありがとうございます」
館内アナウンスが流れ始めた。
いつも聞く女の人の声ではなく、男の人の声だった。
「日頃のご愛顧に感謝を込めて当ホテルにご宿泊の皆さま全員によるゲームを開始します」
テレビには GAMEを開始します と見慣れた文字で表示されている。
「ビーチが..ゲーム会場..」
隣にいるクイナが呟く。ビーチがゲーム会場ってことは此処にいる全員がプレイヤーってことだ。
「難易度 ハートの10」
その声と同時にテレビにハートの10のトランプが映し出された。それを見た全員が息を呑んだだろう。
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ayn. - クイさん» 初コメありがとうございます♡とっても嬉しいです!これからも頑張りますのでよろしくお願いします✨ (2023年2月17日 17時) (レス) id: 6fff18c5cc (このIDを非表示/違反報告)
クイ(プロフ) - 初コメです!キュンとしたりハラハラしたりめちゃくちゃ面白いです!更新楽しみにしています! (2023年2月15日 22時) (レス) id: 5923468ba0 (このIDを非表示/違反報告)
ayn. - あかねさん» 初コメありがとうございます🎵めちゃめちゃ嬉しいお言葉すぎます♡これからも楽しんでいただければ幸いです!よろしくお願いします✨ (2023年2月7日 20時) (レス) id: 6fff18c5cc (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 初コメ失礼します!この小説すっごく面白くて大好きです🥺更新大変だと思いますが、これからも頑張ってください💪 (2023年2月6日 6時) (レス) @page8 id: b290921bd3 (このIDを非表示/違反報告)
ayn. - 金成さん» ご報告ありがとございます( ; ; )早急に外して参りました、教えてくださらなかったらそのままでした、本当にありがとうございます(>_<) (2023年2月5日 20時) (レス) id: 6fff18c5cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ay. | 作成日時:2023年2月4日 20時