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Aside
その無線にチシヤが「先客が居たよ」と声を掛けながらこっちを見て微笑んだ。
「早く開けよう。帰ってきちゃう」
と言いながらチシヤが金庫に目線を移す。
私は頷き金庫にコードを入力する。
8 0 2 2
一つずつ慎重にコードを入れた。
「..開いた!」
機械音をあげながらカチッと音がしてロックが解除された。
中には箱が入っていてそれを慎重に取り出して開ける。
中には沢山のトランプが入っていた。
「A、行こう」
チシヤが優しく私の名前を呼ぶ。
トランプをポケットに入れて金庫を閉めた。
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何処に行くかは分からずにチシヤに着いて行った。
「俺らもトランプを手に入れて現状を変えようとしてたんだ」
チシヤが口を開いた。"俺ら"と言うことはチシヤだけじゃなくてさっき無線から聞こえた声のクイナも一緒に行動してるんだろう。
「トランプを手に入れてビーチから離れる」
「それが俺らの目的」と言いながら前を歩く。
何にも知らなかった。私も参加したかったのに、何で教えてくれなかったんだろう。と実は少し胸が痛んだ。
「そっか..じゃあこれ持って行って」
私はそう言いながら立ち止まりトランプを彼の方に差し出した。私よりチシヤが持っていた方が有効に使えると思った。
そうするとチシヤも立ち止まってゆっくりと私の方へ振り返った。
その表情は私の思っていたものとは違って、チシヤは不思議そうな顔で私を見つめていた。
「何言ってるの、置いていく訳ないじゃん」
「逆にAを置いていくとでもおもったの?」
と表情を変えずにチシヤが言う。
私の口角は自然と上がっていた。私は少しクスッと笑ってから
「チシヤについて行くよ、何処までも」
と言いながら笑った。我ながら最近で1番の笑顔だったと思う。
"何処までも"なんて恥ずかしかったけど、チシヤにならついて行ける気がした。..と言うかついて行きたかった。
「じゃあ行こうか」
と言いながらチシヤも笑う。この時はこの世界のことなんて頭の中に1ミリもなかった。
私たちはもう一度歩き始めて建物を出た。
辺りはすっかり暗くなっていて建物を出た瞬間に目に止まったのはスタイルがいい女の人。
「先客って..Aやったんか..」
「まあ大体予想はついたたけどな」
と言いながらクイナがため息をつく。
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ayn. - クイさん» 初コメありがとうございます♡とっても嬉しいです!これからも頑張りますのでよろしくお願いします✨ (2023年2月17日 17時) (レス) id: 6fff18c5cc (このIDを非表示/違反報告)
クイ(プロフ) - 初コメです!キュンとしたりハラハラしたりめちゃくちゃ面白いです!更新楽しみにしています! (2023年2月15日 22時) (レス) id: 5923468ba0 (このIDを非表示/違反報告)
ayn. - あかねさん» 初コメありがとうございます🎵めちゃめちゃ嬉しいお言葉すぎます♡これからも楽しんでいただければ幸いです!よろしくお願いします✨ (2023年2月7日 20時) (レス) id: 6fff18c5cc (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 初コメ失礼します!この小説すっごく面白くて大好きです🥺更新大変だと思いますが、これからも頑張ってください💪 (2023年2月6日 6時) (レス) @page8 id: b290921bd3 (このIDを非表示/違反報告)
ayn. - 金成さん» ご報告ありがとございます( ; ; )早急に外して参りました、教えてくださらなかったらそのままでした、本当にありがとうございます(>_<) (2023年2月5日 20時) (レス) id: 6fff18c5cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ay. | 作成日時:2023年2月4日 20時