柊一楓の三回忌 ページ32
茅野side
みんなが帰ったあとも、私はそのまま教室にいた
あの頃座っていた席に座り、先生が立っていた教壇の方を見る
茅「先生…
あの事件で、世の中が大きく変わったなんてことは全然なくて…
まるで何もなかったように、みんな相変わらず忙しなく生きてて…
……でも、これだけはどうしても言いたくて…
あの10日間は…
私にとって青春でした」
先生の命を賭けた授業
それに私は救われた
みんなはあの日から少しずつ変わり、少しずつ大人になりつつある
考えて、迷って、踠いてる
それでも毎日を積み重ねて、毎日を生きている
あの10日間を懐かしく思いながら、私は教室を出た
茅「…A、元気かな…」
結局、Aは先生の三回忌に来なかった
Aの写真の件は、その後のテレビでもかなりの間話題になった
私たち生徒にも、Aがどんな生徒だったか、なんて聞く記者の人もいた
…でも、Aが入院していたことは、知らなかった
あ、そういえば、あの頃…
警察署から救急車で搬送された人がいて、警察の行き過ぎた調査が問題視されたんだっけ…?
あれって…Aだったんだね
コツコツコツ
え?
今、私以外の足音が聞こえたんだけど…
振り返ると、屋上に続く階段を進む誰かの姿
…え、誰?
ひっそりと気づかれないように、その人を追いかけて屋上へ向かう
屋上への扉は開いていて、私はそっと顔を覗かせた
茅「…A?」
そこには静かに目を伏せて、手を合わせているAがいた
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のあ - やばい クソみたいに面白い、、、語彙力の塊か、、、でも夢主ちゃんを好きな男子がこんなにいるとは、、甲斐くんめっちゃ好きなんだが(だれもきいてないですよ(ry (2021年4月12日 21時) (レス) id: 1efa312b7c (このIDを非表示/違反報告)
あい - 遅れたコメ失礼します‥‥。凄く感動しました。涙が止まりません‥‥! (2020年7月27日 19時) (レス) id: adcff3a35e (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - 恭也さん» コメント、ありがとうございます!悩みながら書いた作品なので、そのように言ってもらえてとても嬉しいです! (2020年1月12日 23時) (レス) id: ca4df633c8 (このIDを非表示/違反報告)
恭也 - この小説を読んでいるとき、ずっと泣いてました。すごく感動しました! (2020年1月12日 0時) (レス) id: 734b1c5f2e (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - りんごジュースさん» りんごジュースさん、コメントありがとうございます!そんな風に言っていただけて光栄です!すぐに目を冷やしてくださいね笑 (2020年1月4日 18時) (レス) id: ca4df633c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バボちゃん | 作成日時:2019年4月16日 15時